2019-01-01から1年間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.307

はしご酒(4軒目) その五十八 「ワタシ ノ ナカ ノ ダークサイド」 たとえば、死刑制度。 私は、反対である。人が人を「死」をもって処罰する、などというその発想自体、到底、理解できるものではない。 にもかかわらず、もう一人の私が、ときおり耳打ちする。 …

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.306

はしご酒(4軒目) その五十七 「ウラハラ ナ ウラハラ」② 「パワハラには表と裏があるのではないか、と、かなり以前から思っているのですが」、とAくんに。 ほ~、という表情を見せたAくんは、そこのところをもう少し具体的に、というような顔を返してくる。 …

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.305

はしご酒(4軒目) その五十六 「ウラハラ ナ ウラハラ」① 「パワハラ、モラハラ、セクハラ、と、イロイロと巷を賑わしているみたいだけれど、このハラスメントたち、はたして、いかなる意味なのか、わかる?」、とAくん。 あらためて尋ねられると、一気に自信が…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.304

はしご酒(4軒目) その五十五 「ヒト ト ナルベク カカワラズニ ト ガッコ ノ センセ」 「人と、なるべく関わらずに、静かに生きていきたい」、という、私のこの思いを、誰も理解などしてくれない、それどころか、そんなことを思うこと自体、「甘え」などと揶揄さ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.303

はしご酒(4軒目) その五十四 「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」⑤ 内需を中心に据えて、地道にコツコツと、いいモノをつくろうと取り組んできた、その卓越した、食材も含めた、この国の「モノづくり」を、いとも簡単に軽んじて、グローバル化、などという、…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.302

はしご酒(4軒目) その五十三 「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」④ 「そして、関税の撤廃。とくに、農作物や畜産物などの関税の撤廃は、自殺行為としか思えない」、と、畳み掛けるAくん。 「選択肢、という点から言わせてもらうと、安心の国産モノと安価の輸…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.301

はしご酒(4軒目) その五十二 「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」③ 「まず、身近なところで、スマホ決済かな」 「ス、スマホ決済?」 「そう。ソレ自体にどうこう言うつもりはないが、ひょっとしたら、近いうちに、ソレしかなくなる、その手段しかなくなる、ので…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.300

はしご酒(4軒目) その五十一 「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」② 私が思っていた以上に、それなりの時間を費やしたあと、ようやく、Aくん、再始動する。 「もっとも、ってわけじゃないけれど、いま、気になっているのは、将来、選択肢がなくなってしまう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.299

はしご酒(4軒目) その五十 「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」① 「全ての政策には裏がある」、とAくん。 「こんなにいいことありますよ、みたいなことしか、言わないですよね」、と私。 「全くもって、沁みてこない、上っ面だけの説明は、ちょっと犯罪の臭いさ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.298

はしご酒(4軒目) その四十九 「カレル!」 そんな沁みる噺家の一人に、笑福亭松鶴がいる。1986年、68才で亡くなった上方落語の重鎮である。 どこまでも大阪なOくんは、落語に関しては、なぜか、キッパリ江戸落語、と、豪語する。私も、小粋で鯔背(イナセ)な…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.297

はしご酒(4軒目) その四十八 「シミル トイウ カンジ ガ スキ」② そして、ご多分にもれず、噂のシワクチャあがりの紙切れを再び取り出して、タラタラリとAくんが書き上げたその漢字は、どこかで見たことがあるような、ないような、思っていた以上にサラリと…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.296

はしご酒(4軒目) その四十七 「シミル トイウ カンジ ガ スキ」① たとえば、酒が五臓六腑にしみ渡る、という最高にご機嫌に悦に入る、その瞬間の、その「しみ渡る」のその「しみ」、君なら、数ある「しみ」系漢字の中から、どれを選ぶ?、とAくん。先ほどからロッ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.295

はしご酒(4軒目) その四十六 「ユトリ!」③ おまけに、マスメディアも有識者も一般ピーポーも、なぜ、十把一絡(ジッパヒトカラ)げにゴッソリ丸ごと、いとも簡単にカテゴライズして、軽率に、上から目線で「ゆとり世代だからね~」などと宣うことができるのだろ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.294

はしご酒(4軒目) その四十五 「ユトリ!」② あのとき、なぜ、この国は、教育の理想を目指すことができたのだろう。少なくとも現場は、成績に反映することが難しい、教材も内容も定まっていない、授業時間数が減ることによって、教科書を最後までやりきれない…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.293

はしご酒(4軒目) その四十四 「ユトリ!」① 「コレについては、かなり腹が立っている」、と随分とオカンムリのAくん。 ほとんどの現場の反対意見を軽く無視して、三、四十年前に、この国が、自信満々にイニシアチブをとって、鳴り物入りで導入した「ゆとり教育」…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.292

はしご酒(4軒目) その四十三 「オオサカジメ ノ ススメ」 国政選挙やらなんやらで、早々と当選確実の報を受けたそこかしこの選挙事務所から、「バンザイ、バンザイ」という景気のいい大合唱が聞こえてくる。TVの開票速報番組あたりで、よく目にする(耳にする)光…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.291

はしご酒(4軒目) その四十二 「ドウデモイイヨウナコトダケド ソンナカンジ ノ シュガーベイビーラブ!」② 「上昇コードでグイグイとくる感じ、明るくて前向きで、好きだったな~」、と、懐かしく振り返る私。 「明るくて、前向きか~」、と、なぜか随分と意味深…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.290

はしご酒(4軒目) その四十一 「ドウデモイイヨウナコトダケド ソンナカンジ ノ シュガーベイビーラブ!」① おそらく呑み足らないのだろう、今宵のAくんは、まだまだそんな感じの、発展途上Aくんである。 そんな感じの、そんなAくん、が、「どうでもいいよう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.289

はしご酒(4軒目) その四十 「コウキン ヲ ツカッテ ソウイウコト ヲ サレルッテ イカガナモノカシラ」 かねてからAくんは、現代アートも、お笑いも、時の権力とは距離を置くことが望ましい、と、訴え続けている。おそらく、そこにあるべきではない「忖度」が働…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.288

はしご酒(4軒目) その三十九 「ハカナゲ トイウ カンジ ガ スキ」③ たしかに、どれもこれも、見事なまでに、はかなげである。 その真偽のほどは定かではないけれど、昔から美人薄命なんて言われたりしているし、髪の毛だって、気にされている人にとっては、切…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.287

はしご酒(4軒目) その三十八 「ハカナゲ トイウ カンジ ガ スキ!」② 一升瓶が上下に揺れたからだろうか、一杯目より白く濁ったそれは、錯覚かもしれないけれど、雑味が、というよりはむしろ、さらにふくよかで、まろやかさが際立ったような、そんな気がする…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.286

はしご酒(4軒目) その三十七 「ハカナゲ トイウ カンジ ガ スキ!」① 「はかなげ、って漢字、知ってる?」、とAくん。 はかなげ? おそらく、今にも消え入りそうな、そんな漢字なのだろうけれど、見当もつかない。 その漢字が好きなのだ、と言う。 「なぜ、その…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.285

はしご酒(4軒目) その三十六 「オオキイコト ト チイサイコト」 「世の中には、大きいことと小さいことがあるようだな」、とAくん。もちろん、大きいことは、小さいことなどお構い無しの、偉そぶり、だという。 大きいことに携わっているシモジモじゃないエラ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.284

はしご酒(4軒目) その三十五 「タタキアゲ ノ ビガク」 「叩き上げ」、この言葉のもつ力は、僕はかなり大きいと思う、とAくん。 どの業界でも、現場で一から叩き込まれた職人気質の匠たちは、やはり力強い、と私も思う。 ところが、Aくんによると、教育現場で…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.283

はしご酒(4軒目) その三十四 「ソウゴカンドウ ノ ススメ」 日本人じゃないけど、日本語をちゃんと勉強してよかった! 日本語は「とても綺麗だ」。 ある日本の若手ミュージシャンの楽曲に対する、ある(おそらくこの国の方ではない)リスナーのコメントであるのだ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.282

はしご酒(4軒目) その三十三 「ヘイワ ハ ゲンソウ?」 「平和って、幻想かな」、とAくん。まさに畳み掛けるが如くの唐突感、こういうのを「唐突感そうそう」と言うのかもしれないな、と一瞬思ったけれど、きっと、そんなことは、言わないと思う。 ふと、この星…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.281

はしご酒(4軒目) その三十二 「サイカイハツ トイウナノ ジメツ」 「防災、安全、再開発、経済効果、とくに都会におけるこの種の流れ、僕は、かなり怪しいと思っているんだけれど」、とAくん。 「うがった見方かもしれませんが、たしかに、防災やら安全やらの名…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.280

はしご酒(4軒目) その三十一 「ヨリソウソウ」② 「一口に木と言っても、いろいろな木があるし、同じ木でも、日によって、天候によって、表情が違う。ジッとなんてしていない、揺れ動くわけよ、そこがまた愛くるしいんだな~」 「愛くるしい?」 「これって、教育現…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.279

はしご酒(4軒目) その三十 「ヨリソウソウ」① いつになくテンションが低めで、愚痴やら文句やらのパワーの含有量も、いつもより少なめなように思える今宵のAくんではあるのだけれど、あの奈良の上澄みの蔵元が、手掛けたという米焼酎があるというので、それ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.278

はしご酒(4軒目) その二十九 「ガッコ ハ シャカイ ノ シュクズ」④ こんな社会だから、学校に対して、先生に対して、期待が大きいのかもしれない。その大きさゆえの、怒りであり、失望であるのではないだろうか、とAくん。 期待するからこそ腹も立つ、期待し…