ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.280

はしご酒(4軒目) その三十一

「ヨリソウソウ」②

 「一口に木と言っても、いろいろな木があるし、同じ木でも、日によって、天候によって、表情が違う。ジッとなんてしていない、揺れ動くわけよ、そこがまた愛くるしいんだな~」

 「愛くるしい?」

 「これって、教育現場にも通じるとは、思わない?」

 「教育現場にも、ですか」

 「そう、木なんだ、木、子どもたちは、まさに、木なんだと思う」

 「木に寄り添うが如く、ということですか」

 「そう、寄り添う。この際、涙そうそう、じゃないけれど、寄りそうそう、ぐらいのほうが、いい」

 「よりそうそう、ですか。そもそも、涙そうそう、の、意味って、なんなんですか」

 「あ~、涙そうそうね。そうそうは、いわゆるミルフィーユ状態、次から次に幾重にも畳み掛けるような、そんなイメージ」

 「そういうイメージの涙ってことですか」

 「そう、だから、寄り添う、も、それぐらいのパワーがあったほうがいい、という意味での、寄りそうそう、わかるかな~」

 わかります、わかりますとも、充分にわかる。いい意味で、ヤンチャな木たち、そんな木たちには、Aくんが言うように、寄りそうそう、ぐらいでないと、たしかに、ダメな気がする。

 ♪はれわた~るひ~も~あめ~のひも~うかぶあの~えが~お~

(つづく)