2019-01-01から1年間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.277

はしご酒(4軒目) その二十八 「ガッコ ハ シャカイ ノ シュクズ」③ 学校ごときが、先生ごときが、という意識が、この世の中にはあるのではないか、などと、正直、以前は、ちょっとムッとしながら思ったりもしていた、とAくん。 学校にも先生にも、ハナから期…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.276

はしご酒(4軒目) その二十七 「ガッコ ハ シャカイ ノ シュクズ」② ますますパワフルに陰湿化するいじめ問題にしても、硬直した価値観が招く偏見や差別問題にしても、シモジモから目を背け、上空ばかりに目をやる忖度問題にしても、さらには、思考停止のマニ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.275

はしご酒(4軒目) その二十六 「ガッコ ハ シャカイ ノ シュクズ」① 「学校は社会の縮図、と、僕が教職に就き立ての頃、ある先輩教師に言われたことがある」、とAくん。 巷では、この頃の学校は、とか、この頃の先生は、とか、というふうに、どうも、学校やら先…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.274

はしご酒(4軒目) その二十五 「ヒトガヤドルモノ ノ ススメ」 憧れの大島紬(オオシマツムギ)、ということもあるのだけれど、以前、Aくんが、彼の、今は亡きお祖父さんの大島紬を、あまりに小粋に着こなしていたものだから、そのとき、ホントにカッコいいな~…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.273

はしご酒(4軒目) その二十四 「シンガタレッカーマン タンジョウ!」③ 再び、ん~・・・、と考え込むAくん。 その隙に、もう一口、奈良の上澄みを味わう。かすかに感じられる上品な甘みも、スキッとシャープにキレていく、やはり、そんな、どこまでも爽やか…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.272

はしご酒(4軒目) その二十三 「シンガタレッカーマン タンジョウ!」② とても贅沢なものをいただいているような、そんな気分で、ほんの少し口に含む。 そのキレのあるプチプチ感に、おもわず「爽やかですね~」、と私。 「以前から気になっていた奈良のお酒で、…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.271

はしご酒(4軒目) その二十二 「シンガタレッカーマン タンジョウ!」① あの、アホがアホ呼ぶアホアホワールドの住人に、「レッカーマン」、が、いる。 隣で、先ほど注文したらしい奄美大島の黒糖焼酎を、ロックでチビチビやっているAくんが、命名したものであ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.270

はしご酒(4軒目) その二十一 「モウイチド タカダワタル ノ ススメ」 たしかに、「吠える」ことも大事だと、Aくんは宣う。 ウジウジと、あれやこれや、居酒屋で愚痴ってみることぐらいしかできない私ゆえに、吠えることの、意義、みたいなものは、胃の隅のほう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.269

はしご酒(4軒目) その二十 「イノチガケ ノ ソンタクナシ ノ ススメ」 TVなんだから忖度するのは当たり前、スポンサーのことも無視できないし、番組の制作側の意向も、もちろん考えて発言しなければならないのは、テレビ人として当然、という、あるタレントの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.268

はしご酒(4軒目) その十九 「タカダワタル ノ ススメ」 高田渡の♪コーヒーブルースが好きなんだな~、と、サツマイモとエビイモの炊いたんを実に旨そうに頬張りながら語るAくん。 たかだわたる? コーヒーブルース? 彼の得意技である唐突感だけでは済まされ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.267

はしご酒(4軒目) その十八 「アコガレ ノ アマチュアイズム ノ ススメ」 やりたいことだけをやる。納得できないことはしない。カッコよく聞こえなくもないけれど、仕事そのものを選ぶわけだから、アマちゃんだよね、などと、揶揄されてしまう、かもしれない。…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.266

はしご酒(4軒目) その十七 「シンコキュウ ノ ススメ」 恒例の唐突感満載で繰り広げられるAくんワールドに期待が膨らむ。その膨らみついでに、ある一本の映画のことを思い出す。 Aくんオススメのその映画は、沖縄のさとうきび畑を舞台にした篠原哲雄監督の…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.265

はしご酒(4軒目) その十六 「ソウゴシット ノ ススメ」② 「私も、後ろ向き、というか、生産的でない、というか、あまりいい意味で使われない、その嫉妬という言葉を、結構好意的に受け止めています」、と、自分なりの思いをジャブ程度に語ってみたその直後に、「…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.264

はしご酒(4軒目) その十五 「ソウゴシット ノ ススメ」① ある画家が、ある歌手に、歌が歌えていいよね、と嫉妬し、ある歌手が、ある画家に、絵が描けるっていいよな~、と嫉妬する、というそんな相互嫉妬な関係に、私は嫉妬するんだ、と、その主旨を掴みかね…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.263

はしご酒(4軒目) その十四 「タツタアゲ タイムマシ~ン」 「ぬる燗でいいかい」とAくん。お酒を燗する、という発想が、ほぼない私なのだが、なんとなく勢いみたいなものに押され、おもわず「はい」と答えてしまったことに、少し後悔する。 そうこうしているうち…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.262

はしご酒(4軒目) その十三 「データ ト ゴリオシ モンダイ」 チリリチリリという、なにかを丁寧に揚げる音とともに、どれだけ満腹でもまだまだいける、と思わせるだけの美味しそうな香りが、テラリテラリと漂ってくる中、Aくんがさらに語り始めたその三番手…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.261

はしご酒(4軒目) その十二 「ゲンダイアートダマシイ モンダイ」③ 私の「なぜ、そう思うのですか」という問いかけに、ん~・・・、と短く默考したあと、Aくん、たいていは、ナニか得体のしれない「力」に、組み込まれたり、利用されたりしているうちに、知らぬ間…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.260

はしご酒(4軒目) その十一 「ゲンダイアートダマシイ モンダイ」② そんな感じで、ちょっと謎に包まれた、アートなAくんが、近頃、疑問に、不安に、思うことのその二番手に、「現代アート魂」問題がある、らしい。 Aくんは、その魂が、絶滅危惧種の仲間入り寸…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.259

はしご酒(4軒目) その十 「ゲンダイアートダマシイ モンダイ」① 唐突に、愚かなる人類災を熱く語り始め、そのまま一気に、その二番手に突入かと思いきや、それを上回る唐突感で、「なにか、炊いたん、と、揚げたん、ちょこっと、お願いできますか」、と、Aくん…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.258

はしご酒(4軒目) その九 「テンサイ ト ジンサイ トノ キョウカイセン モンダイ」 今夜は妙に自分のことを語りたい気分、などと言っていたわりには、サラリと近況プチ自伝を終了したAくん、ではあるのだけれど、なにやら、とくにこの頃、ムムムムムと疑問に…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.257

はしご酒(4軒目) その八 「ナゾガナゾヨブナゾナゾエークン」③ ついでに私まで驚かす、というオマケまで付けて、物語は後半に突入する。 いまひとつ才能がないものだから、結局、本気でやり切ることが出来なかった、と、Aくんらしくないテンション低めの後半…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.256

はしご酒(4軒目) その七 「ナゾガナゾヨブナゾナゾエークン」② 学校の先生は辞めた。 えっ、という驚きと、やっぱり、という納得と、なぜ、という疑問と、大丈夫かな、という心配と、が、高速でグチャグチャッと駆け巡る。 なにをどう言えばいいのか、よくわ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.255

はしご酒(4軒目) その六 「ナゾガナゾヨブナゾナゾエークン」① それはそれとして、しつこいにもほどがある、と、ツッコミを入れられそうだけれど、全ての謎が解明したわけではなく、いま一度勇気を振り絞り、「で、その元芝居小屋で、こんなに遅くまで、一体全…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.254

はしご酒(4軒目) その五 「シバイゴヤ ト デンパケイ」⑤ そんな膨らみ続ける疑問で、すっかり私の胃袋は膨満感、ではあったのだけれど、なんとなく口寂しかったのか、ほとんど無意識に目の前の酢の物を一つ、つまむ。 うまいな、これ。 なんの意識も期待もし…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.253

はしご酒(4軒目) その四 「シバイゴヤ ト デンパケイ」④ 女将さんお手製の酢の物の味は格別なんだ、と、嬉しそうに話しながら、2つのグラスにビールを注ぎ入れるAくんに、私はもう一度、「あんなところでなにをしていたのですか?」と、しつこく問うてみる。 …

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.252

はしご酒(4軒目) その三 「シバイゴヤ ト デンパケイ」③ 私の「いいですね~」のその前に、「よし、じゃ、そうしよう」、と、Aくんは足早に夜道を突き進む。そのあとを遅れまいとしながら、何度か右に左に角を曲がると、そこだけがボンヤリと明るい場所に、よう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.251

はしご酒(4軒目) その弐 「シバイゴヤ ト デンパケイ」② さらに、静寂と暗闇(というほどの静寂でも暗闇でもなかったのだろうけれど、そのときは、少なくともそう感じてしまうほどの精神状態であったということだ)の中からヌルッとなにかが現れ、私の腰は、完…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.250

はしご酒(4軒目) その壱 「シバイゴヤ ト デンパケイ」① 暗くてハッキリとはわからないのだけれど、ちょっと妙な建物の前を通りかかる。 こんなのあったかな、なんだろう、この建物は。 100年とまでは言わないが、50年以上は優に経っているだろうその古びた建…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.249

はしご酒(3軒目) その七十八 「オサガワセシマシタ」② そして、どうにかこうにか踏ん切りをつけた私は、「良い子の皆さん、おうちに帰る時間ですよ~、と、町内放送が聞こえてきそうなので、ぞろそろ私も、勇気ある撤退をさせていただきます」、と、マスターに…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.248

はしご酒(3軒目) その七十七 「オサガワセシマシタ」① とくに騒いだつもりなどなかったのだけれど、条件反射のように、ほぼ無意識に、「マスター、お騒がせしました」、と私。案の定、「謝っていただくことなどなにもありません、ステキなお仲間で羨ましい限りで…