ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.295

はしご酒(4軒目) その四十六

「ユトリ!」③

 おまけに、マスメディアも有識者も一般ピーポーも、なぜ、十把一絡(ジッパヒトカラ)げにゴッソリ丸ごと、いとも簡単にカテゴライズして、軽率に、上から目線で「ゆとり世代だからね~」などと宣うことができるのだろう。アチラの端からコチラの端までズイとサッパリわからない、と、ほとんどお手上げ状態のまま、Aくんは、いつのまにか気力も燃料も底をつき、ぬかるみの中に不時着を試みる。

 私は、そんな、不本意ながらも不時着を選ぶしかなかったAくんの、その力ない横顔を、しばしボンヤリと眺めつつ、漠然と、こんなことを思う。

 Aくんをぬかるみに不時着までさせてしまった、この「アチラからコチラまでズイと無責任なゆとり問題」の、その「なぜ」に対する具体的で論理的な説明をすることなんて、今までイニシアチブをとってきたシモジモじゃないエライ人たちには、まず、できっこないだろうし、それどころか、きっと、そんな気さえ、も、サラサラないのだろうな~、と。(つづく)