2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.432

はしご酒(4軒目) その百と七十三 「ムネン!」③ 「顔中に、期待大、って、書いてあるぞ」 「えっ」 おもわず、そのあたりに、自分の顔を映し見ることができる鏡かナニかがないかと、一応、グルリと探してはみる。 「とりあえず、その、期待大、は、奥のほうに仕舞…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.431

はしご酒(4軒目) その百と七十二 「ムネン!」② 無念。 重量級の、悔しさ、虚しさ、悲しさ、などが、グチャッと混ざって固まった塊(カタマリ)が、ズシリとのしかかる、その苦しみは、ボヤくぐらいでは、キレるぐらいでは、到底、晴れることなどないだろう。 …

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.430

はしご酒(4軒目) その百と七十一 「ムネン!」① 普段通りの生活が、どうしようもないような招かれざるナニかによって、普段通りでなくなる、というようなことは、実は、それほど珍しいことではなくて、そんなことは、大昔から、何度も何度も繰り返されてきま…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.419

はしご酒(4軒目) その百と七十 「ジンルイノキキ ハ コノホシノキキ トハ カギラナイ」② 「そもそも人類の危機、って、なんなのですか」、と私。 「なんなのですか、か~・・・、あらためて問われたりすると、たしかに、ナゾめいてくるよな」、とAくん。 「その大…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.418

はしご酒(4軒目) その百と六十九 「ジンルイノキキ ハ コノホシノキキ トハ カギラナイ」① 懐かしの相棒、ももいろ号、と、♪自転車にのって、の、思い出に浸(ヒタ)っていると、いつものように唐突にAくん、「この星の危機は、間違いなく人類の危機だけれど、…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.417

はしご酒(4軒目) その百と六十八 「マタマタ タカダワタル ノ ススメ」② そのころ私は、東西に細長い東京都の、ほぼ中央に位置する「国立」という町に住んでいた。この国立、普通に「こくりつ」と読みたいところだが、両隣の国分寺と立川との間だから、というその…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.416

はしご酒(4軒目) その百と六十七 「マタマタ タカダワタル ノ ススメ」① 学生時代、私には、どこへ行くにも、いつも一緒だった相棒がいた。 その名は「ももいろ号」。 隣町の小さな自転車屋さんで、たしか、五千円ぐらいで購入した中古の自転車で、それから十年…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.415

はしご酒(4軒目) その百と六十六 「キ ハ ヤッパリ キ ダナ」② そんな「気」なのだけれど、この漢字そのものは、なかなか好きになれないままでいた。エナジーを感じないのだ。 そんな折も折、目にしたのが、あの看板である。 「気」は、やっぱり「氣」だな。 コレに…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.414

はしご酒(4軒目) その百と六十五 「キ ハ ヤッパリ キ ダナ」① 我が家から4㎞圏内のいつもの散歩コースには、なぜか、断食道場やらハーブの生産直売店やらがあったりする。どちらも前を素通りするだけで、お邪魔したことはない。実際は、そんなことはないの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.413

はしご酒(4軒目) その百と六十四 「ヨウカイ イロガツクツクボウシ ノ キョウフ」⑤ 「そんなに気落ちしなさんな」 「気落ちもナニも、ようするに、つまり、言う側も言われる側も、どちら側も、議論ベタ、ゆえに、ナンともカンとも・・・なんですよね」 「ま、そう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.412

はしご酒(4軒目) その百と六十三 「ヨウカイ イロガツクツクボウシ ノ キョウフ」④ 頭の中が整理しきれない。へばりつくものがアレやコレやとありすぎるし、その一つひとつにかかる靄(モヤ)も晴れそうにない。 「仮に、その妖怪もまた、私の愛は、身勝手ではな…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.411

はしご酒(4軒目) その百と六十二 「ヨウカイ イロガツクツクボウシ ノ キョウフ」③ それでも気持ちを切り替えて、未消化のうちの一つについて問うてみる。 「いったいナニが、ソコにへばりついているんですか」 するとAくんは、少し黙考したあと、ユルリと語り…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.410

はしご酒(4軒目) その百と六十一 「ヨウカイ イロガツクツクボウシ ノ キョウフ」② 「たしかに、いろいろなものが、へばりついている、という気も、しなくはないか」 えっ? 「普通、わかるだろ」という言葉あたりが、間違いなく返ってくるものと思い込んでいただ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.409

はしご酒(4軒目) その百と六十 「ヨウカイ イロガツクツクボウシ ノ キョウフ」① 島国であるこの国(に限ったことではないのかもしれないけれど)に、古くからまかり通る、言わぬが花、沈黙は金(キン)、という摩訶不思議な美徳について、もう少し深く考えてみた…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.408

はしご酒(4軒目) その百と五十九 「ディスカッションベタシンドローム」 たとえば、あのOくんが、あるトンでもない行動をとった、としよう。 それをZさんが、「多くの人の心を傷つけたわ、とるべき行動ではなかった」、と、断罪する、としよう。 するとZ’さ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.407

はしご酒(4軒目) その百と五十八 「ユカイハン ト カネノモウジャ ト ソノナカマタチ」④ 「どうだい、ナニか見えてきたかい?」、とAくん。 「はい。悪魔たちのミーティングを、コッソリと盗み聞きさせてもらいましたから」 「そいつはいいね。でも、君のところの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.406

はしご酒(4軒目) その百と五十七 「ユカイハン ト カネノモウジャ ト ソノナカマタチ」③ ようやく集まった悪魔たち、しばらくの間は寡黙であったのだけれど、にわかに、ナニやらボソボソと呟き出す。そのことに気付いた私は、反射的に聞き耳をたてる。 「弱り…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.405

はしご酒(4軒目) その百と五十六 「ユカイハン ト カネノモウジャ ト ソノナカマタチ」② 「なぜ、そんなものが流されなきゃならないのですか、なにかメリットでもあるんですか、それとも誰かからの依頼かナンかですか」、と、思いつくまま、立て続けに問うてみ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.404

はしご酒(4軒目) その百と五十五 「ユカイハン ト カネノモウジャ ト ソノナカマタチ」① デマゴーグ(demagogue )という言葉の意味を、ご存知か、とAくん。 いつの世も、民衆の心は脆弱(ゼイジャク)で揺れ動きやすい、というその泣きどころを、見事なまでにグ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.403

はしご酒(4軒目) その百と五十四 「ヒカリカガヤク パワフルマン パワフルウーマン パワフルヒューマン!」② そんな私のプチ反旗に、「そりゃそうだな。せっかく言い換えるのだから、どうせなら前向きに、という君の指摘は、全くもってその通り、的を得ている」…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.402

はしご酒(4軒目) その百と五十三 「ヒカリカガヤク パワフルマン パワフルウーマン パワフルヒューマン!」① とはいうものの、残念ながら、誰しも心の中には、油断すれば、いとも簡単に炙り出される闇がある。しかしながら、たしかに闇はあるのだけれど、むし…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.401

はしご酒(4軒目) その五十二 「アブリダサレル ヤミ」③ 「平時なら、そうそうその裏側が炙り出されるなんてことはないのだろうけれど、負のエネルギーの嵐のようなものに見舞われたその時から、今まで、何気に封印されていた灰汁が、ブチュブチュと炙り出され…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.400

はしご酒(4軒目) その五十一 「アブリダサレル ヤミ」② 「旨味どころか、むしろ、灰汁(アク)みたいなものが、炙り出される」、とAくん。 「アクですか」 「そう、灰汁。旨味を表(オモテ)とするなら、その裏側(ウラガワ)にあるエグ味とかニガ味とか、という、そう…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.399

yはしご酒(4軒目) その百と五十 「アブリダサレル ヤミ」① 「ホントに旨いな~」と、もう一切れ、エイヒレを口に放り込むAくん。名探偵は、その旨さの秘密が、まず、そのツケダレにある、と、確信しているようだ。 そして、トドメの「炙(アブ)り」。ツケダレと炙…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.398

はしご酒(4軒目) その百と四十九 「オレヲ テラス タイヨウ」③ その、海そのものを炙ったかのような匂いにつられて、迷宮から舞い戻ってきたAくんも、舞い戻りついでに、エイヒレを一切れ、ヒョイと指で摘まんで口に放り込む。 「柔らかい!、旨味の凝縮感も…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.397

はしご酒(4軒目) その百と四十八 「オレヲ テラス タイヨウ」② トンと目の前に置かれた、そんじょそこらの居酒屋の定番でもあるエイヒレが、海そのものを炙ったかのような匂いを放っている。放ってはいるものの、女将さんには申し訳ないけれど、エイヒレとい…