ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.305

はしご酒(4軒目) その五十六

「ウラハラ ナ ウラハラ」①

 「パワハラモラハラ、セクハラ、と、イロイロと巷を賑わしているみたいだけれど、このハラスメントたち、はたして、いかなる意味なのか、わかる?」、とAくん。

 あらためて尋ねられると、一気に自信がなくなる。

 「嫌がらせ、とか、いじめ、とか、みたいなものなんじゃないんですか」 

 「じゃ、そんな横文字なんかを使わずに、嫌がらせ、とか、いじめ、とかで良かったんじゃないか、って、思うわけよ、僕は」

 たしかに、なぜ、英語なのだろう、日本語だとマズイなにかがあるのだろうか、などと、私まで勘繰り出してしまう。

 「あえて、わかりにくくしたのか、英語のほうがスマートに聞こえる、程度の理由なのか、それとも、地球規模の問題事象ゆえの共通語、ということなのか。ん~、どうなんだろうな」

 「共通語、ということでしょう、おそらく。そのハラスメント、世界のそこかしこで問題になっているようだし」

 と、偉そうに言ってはみたものの、とくにパワハラについては、全くもってナゾだらけ、の、私なのである。(つづく)