ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.301

はしご酒(4軒目) その五十二

「キョウフ ノ センタクシ~ナクナル」③

 「まず、身近なところで、スマホ決済かな」

 「ス、スマホ決済?」

 「そう。ソレ自体にどうこう言うつもりはないが、ひょっとしたら、近いうちに、ソレしかなくなる、その手段しかなくなる、のでは、と。そんな、その手段しかなくなるのその裏側で、ソレしかないようにしようと画策する、ナニやら底知れぬ胡散臭さを、感じてしまうんだよな~、僕は」

 どこまでマイナス思考なのだ、と思えなくもないけれど、なるほど、たしかに、人が、その行動のほとんどに、「スマホ」を介在させることによって引き起こされるかもしれない危険性は、ナンとなくながら、この私でも想像はできる。

 つまり、そうなると、たとえば、仮に私がこの星の権力のトップにいるとして、おそらく、全ての人たちの行動を、ほぼ把握することができそうな気がする、からである。

 もちろん、そんな気持ち悪いこと、私は願い下げだが、そのことを気持ち悪く思わない権力を握るシモジモじゃないエライ人たちもまた、この星にはいる、ということを、忘れるわけにはいかない。(つづく)