はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と五十三
「コウキンチュ~チュ~?」
全くもってその意味を、誤って理解してしまっていた。
ソレがコレ、「公金チューチュー」。
そう、公金、チューチュー。
その公金チューチューを、私は、いわゆる「中抜き」、「水増し」、「談合」、などといった悪どい手口を使い倒して血税をチョロまかす、みたいな、そんな類(タグ)いのモノだと思い込んでいたのである。
ところが、実際は、この公金チューチュー、圧倒的な弱者たちをターゲットにしたダークなバッシング以外のナニモノでもなかったのだ。ソレまで、結構、コトあるごとに、勘違いしたままこの言葉を使っていたものだから、さすがに愕然としたことを今でもハッキリと覚えている。
端的に言えば、「福祉切り捨て」、「公助切り捨て」。つまり、「弱者切り捨て」だということだ。
そう、弱者の、切り捨て。
様々な理由によって自助だけでは、どうしても、生きていけなくなってしまった社会的弱者たちは、皆、「公金チュ~チュ~だ~!」などと断罪する、切って捨てる、とくに、その公金とやらで生計を立てておられる公務員(もちろん、地方議員も国会議員も)の一部の方々のその意識の、考えの、稚拙さ、短絡さ、歪み具合、には、憤りを通り越して悲しくさえなる。
そういえば、ある落語家さんが、「『裏金ガブ~ガブ~』たちがエラそうに、ナニが『公金チュ~チュ~』だ」、みたいなコトを、呆れ果てるように宣っておられた。
おっしゃる通り。
見事なまでに遵法精神が欠落した裏金ガブガブな公務員たちのその罪の深さ、まさに、日本海溝クラス。(つづく)