2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.580

はしご酒(Aくんのアトリエ) そのニ十一 「シリタクナイノ」③ だし巻き卵のエナジーで、ようやくパワーがみなぎってきたのか、Aくん、開口一番、「まさに、不都合な真実ってヤツだな」、と。 「不都合な真実・・・、恐ろしい響きですね」 「たとえ真実であったとし…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.579

はしご酒(Aくんのアトリエ) そのニ十 「シリタクナイノ」② 黙りこくるAくんを尻目に、一旦、開いてしまった私の口からは、脈絡など気にすることなく怒濤の勢いで、アレやコレやと飛び出して、おいそれとは抑えることなどできそうにない。 「誰しもが、そんな…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.578

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十九 「シリタクナイノ」① そんなコトは、万が一にもあってはいけないコトなんだろうけれど、たとえば仮に、ある国の、イニシアチブを握るような権力者が、エッ!?、としか思えないようなトンでもない愚行をやらかしてしまっ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.577

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十八 「ヘイワ ノ サイテン」 裏番組のTVアニメ、『鉄人28号』が見たくて、家族全員が集う六畳の間で、ひとり、泣きじゃくっていた、と、普通なら忘却の彼方へ消え入りそうなぐらいの過去に遡(サカノボ)り、なにやら嬉しそうに…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.576

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十七 「ナンデモアル ナントデモナル ガ スタンダード シンドローム」 先人たちの並々ならぬ努力の積み重ねの賜物(タマモノ)であるのだろう、おかげさまでこの国は、大抵のモノならあるし、大抵のコトならなんとでもなる。いつ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.575

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十六 「ネムレヌヨル」 悔しいけれど、なぜか、突然、眠れなくなってしまった。こんな僕でも、不覚にも、そのとき、眠れなかったのだ、とAくん。 きっと、学校の先生になりたてのころ、なにかと苦労が絶えない日々の中で、若…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.574

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十五 「イチャモンナンテモンハ ナンボデモツケラレマッセ」② するとAくん、ようやく思い出せたのか、「あ~、あのときね」、と。 批判する、と、いちゃもんをつける、との、その違いについて、論戦を繰り広げているうちに、三…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.573

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十四 「イチャモンナンテモンハ ナンボデモツケラレマッセ」① どんな会話の流れの中で、あの、ナニがナンでもOosacan(大阪人)なOくんが、そう語ったのかは、もう、あまりにも昔のことすぎて覚えてはいないのだけれど、初めて…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.572

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十三 「ヤラセテモロテマス」② 「たとえば、政治を司るシモジモじゃないエライ人たちって、お客さん、というか、国民、というか、の、ために、と、言いがちだろ。でも、これって、結局は、国民のために、と、言いながら、最終的…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.571

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十二 「ヤラセテモロテマス」① 京都ならではの独特な言い回しなのか、それとも、大阪は船場の商(アキナ)い言葉なのか、そのあたりのことは、残念ながら、僕にはわからないけれど、商いでもナンでも、ナニかをする、というその…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.570

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十一 「ワンパク バンパク タンパク」② それならそれで、と、気持ちを、眼前の、冬の味覚の渾然一体型発酵食品である「かぶら寿し」に、切り替える。 コレは、以前から存じ上げている。一切れ、口に運ぶ。この、調和の取れた安定…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.569

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十 「ワンパク バンパク タンパク」① 何度も何度も足繁く通った、なんてこと、そうそうあるもんじゃない、と、得意の唐突さで、Aくん。 足繁く、などということ、・・・ないかな、たしかに、ないな。 「ソコまでの価値を見出だ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.568

はしご酒(Aくんのアトリエ) その九 「サイアクヲ ソウテイシナイママ ツキススムンジャー」② 「シモジモである一般ピーポーならば、それでもいいんだ。いや、それでいい。どころか、そのほうがいい。とさえ思っている。悲観的であり過ぎることの危険性、つまち…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.567

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八 「サイアクヲ ソウテイシナイママ ツキススムンジャー」① 条件付きではあるものの、楽観主義も能天気も、一応、それなりに、認めてはいるAくんなのだけれど、でも、その、あまりの度の過ぎ具合に、コイツたちだけは放って…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.566

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七 「サイゴハカツ。ウエガダメデモシミンデカツ。」 「最後は勝つ。上がダメでも市民で勝つ。」 かなりの威勢の良さを放つコレは、ある新聞社の広告賞で、出版等部門の最優秀賞に輝いた、ある出版社のある広告の、キャッチコピ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.565

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六 「キニナッテシカタガナイ ヨムヒトモンダイ」③ 「ナニがナンでも突っ込まれたくない症候群、ってヤツかもしれない」 「えっ!?」 「変に突っ込まれてごらんよ。場合によっては、したくもない訂正やら謝罪やらを強要させられた…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.564

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五 「キニナッテシカタガナイ ヨムヒトモンダイ」② そんな、再び、沈黙の扉を開けてしまったAくんを、横目に見ながら、私は、スティック状に切られた練り物系のアテに箸を付ける。さつま揚げよりも色黒で、見るからに凝縮感が…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.563

はしご酒(Aくんのアトリエ) その四 「キニナッテシカタガナイ ヨムヒトモンダイ」① このところ、私なりに、どうも気になって仕方がないことがある。そのことを、突然、思い出す。 ひと、ヒト、・・・人。 そう、「人」である。 たとえば、ポーズに少し無理があ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.562

はしご酒(Aくんのアトリエ) その三 「マチナカ ノ ニホンダテ ノ エイガカン」 あらためて、元は芝居小屋であったというAくんの、このアトリエの中を、グルリと見渡してみる。 なぜだろう、芝居を楽しむお客さんたちの声が聞こえてきたような気がしたものだ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.561

はしご酒(Aくんのアトリエ) その弐 「オイノチ イタダキマス」 「美味しい!、ホントに美味しいですね、これ」、と私。 どれどれ、と、Aくんも箸を伸ばす。 「おお~!、まっこと、出汁が命のだし巻き卵、ジュワッとくるよね~」 女将さんの、どこまでも屈託のな…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.560

はしご酒(Aくんのアトリエ) その壱 「イタダキマス」 鉄骨と木材とブロックと、ちょっとレトロなガラスなどが、おしゃれ、という感じではなく、また違う気持ちよさで雑然と、むき出しに混じり合ったような、そんな、心地好くも怪しい異空間に、スルスルと吸い…