はしご酒(4軒目) その三十四
「ソウゴカンドウ ノ ススメ」
日本人じゃないけど、日本語をちゃんと勉強してよかった! 日本語は「とても綺麗だ」。
ある日本の若手ミュージシャンの楽曲に対する、ある(おそらくこの国の方ではない)リスナーのコメントであるのだけれど、そのコメントを目にした瞬間、猛烈に爽やかな風が、私の中を吹き抜けたような気がした。
私は、文字も言葉も、それぞれの国の、地域の、光輝く文化の結晶だと、信じて疑わない。それゆえに、ソコのところに感動できるソノ国の人じゃない人たちのソノ感性の豊かさに、開かれぐあいに、「なんて素晴らしいんだ」、と、心底思ってしまう。
お互いに、だからこそ大切にしなければならない。
お互いに、だからこそ粗末にしてはいけない。
お互いが、尊重しあい、理解しあい、やがては感動しあえる、そんな相互理解をも越えた相互感動が、必ずや、この星の平和にも繋がっていく、と信じたい。
そして、そう信じることが、あの「平和って、幻想かな」というAくんの発言の中に漂う、珍しく弱気で後ろ向きなドンヨリとした空気、の、払拭に、も、きっと繋がる、はずである。(つづく)