2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.450

はしご酒(4軒目) その百と九十一 「トナリノヒト ノ イキヅカイ」② 「僕は、オーケストラの奏者は、当然、その全神経を、指揮者に集中させているものだと、思い込んでいたんだよね」 Aくんが大好きなハードロックも、よくわからないけれど、クラシックなるもの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.449

はしご酒(4軒目) その百と九十 「トナリノヒト ノ イキヅカイ」① 僕のような、ひとりでいる時間をこよなく愛するタイプでも、人と人との繋がりの大切さ、繋がる意味の深さ、みたいなものは、人一倍理解している、つもりではいる、とAくん。 「先ほどの、あの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.448

はしご酒(4軒目) その八十九 「タイガンノカジ ノ ニオイ ト ネツ」③ 「君の親父さんは、おそらく、誰の心の中にも宿りうる、残酷さ、みたいなものを、何気なく寓話のようにして、伝えたかったんじゃないかな」 「残酷さを寓話のようにして、ですか」 父親が、そ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.447

はしご酒(4軒目) その八十八 「タイガンノカジ ノ ニオイ ト ネツ」② 「戦争の残り香、みたいなもの、ナニか、感じたことありますか」、と、なにやら女将さんと、楽しげに話しながらチビチビとやっているAくんに、尋ねてみる。 「えっ、戦争、の、残り香?」 さ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.446

はしご酒(4軒目) その百と八十七 「タイガンノカジ ノ ニオイ ト ネツ」① 寡黙で、自分からは滅多に、話などしようとしなかった父親が、私がまだ幼かったある日、珍しく、あの戦争について、語ってくれたことがある。結局、父親は、戦地に赴くことはなかった…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.445

はしご酒(4軒目) その百のと八十六 「モノノミエカタ ガ カワル」③ そんな、ゾワッな気分に陥ろうとしている私を尻目に、Aくんは、自分自身の考えを確認するかのように、ボソリと。 「モノの見え方が変わることの、その方向性に、その向きに、一抹の不安があ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.444

はしご酒(4軒目) その百と八十五 「モノノミエカタ ガ カワル」② 一体全体、どこに、どんな問題が潜んでいる、というのだろう。 たとえば、個性的で魅力的な学校の先生との出会い。 天文学が大好きな、というよりは、謎の円盤UFO が大好きな先生に、見事なま…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.443

はしご酒(4軒目) その百と八十四 「モノノミエカタ ガ カワル」① ダレかと出会って、ナニかと出会って、アルことを耳にしたり、目(マ)の当たりにしたり、さらには、アンナことをやってみたり、やらかしてしまったり、しているうちに、少し、今までとはモノの…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.442

はしご酒(4軒目) その百と八十三 「スズキコージ ノ ススメ」 スズキコージを、ご存知か、とAくん。 Aくん得意の、いつもの唐突さで、そう尋ねられた私は、すかさず、この頭の中の、随分と旧式で、そのうえ、かなりの中古、の、コンピューターを、今一度(イ…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.441

はしご酒(4軒目) その百と八十二 「イタシカタガナイトキ ノ イタシカタナシ ノ コウザイ」② そして突然、Aくん。 「致し方ないとき、でもない限り、コトを起こせない愚かさ、と、致し方ないとき、に、便乗して、ドサクサに紛れて悪事を起こす醜さ、との、ま…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.440

はしご酒(4軒目) その百と八十一 「イタシカタガナイトキ ノ イタシカタナシ ノ コウザイ」① 「あれほど、こうあらねばならない、と、そうでなければ、大きな問題を生む、と、理想を追求してきたにもかかわらず、致し方なし、と、なし崩し的に妥協の道を辿り始…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.439

はしご酒(4軒目) その百と八十 「ヨウカイ アマクダリ ト アク ト トウメイ デ コウセイ」 絶大な生命力を誇る「アマクダリ」。本格的に駆除に乗り出す、なんてニュースを、耳にしたこともあるけれど、まさにウィンウィンの関係ゆえに、わからないように、駆除…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.438

はしご酒(4軒目) その百と七十九 「ヨウカイ ヒトリガッチガチ コウリン」② その思いが、伝わったからなのかどうかはわからないが、しばらくして、ようやく、ボソリと口を開くAくん。 「たしかに、その瞬間だけを捉えれば、等しく皆に、じゃないように見える…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.437

はしご酒(4軒目) その百と七十八 「ヨウカイ ヒトリガッチガチ コウリン」① 神さまは、等しく皆に試練を与えるからこそ神さまなのだ、と、Aくん。 突然、神父さま?、牧師さま?、な、Aくんであるが、それはそれとして、その「等しく皆に」の部分を、どうして…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.436

はしご酒(4軒目) その百と七十七 「アドベンチャー ノ ススメ」③ なぜか焦りぎみにその石を、ギュギュッとリュックサックに詰め込んだ私は、足早にその工事現場をあとにする。 ソコから少し離れた人気(ヒトケ)のない空き地で、ワクワクしながら、その石とトン…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.435

はしご酒(4軒目) その百と七十六 「アドベンチャー ノ ススメ」② そんな当時の、随分とアドベンチャーな日々の中で、とくにワイルドであったのが、近所に住む従兄弟たちとの共同企画、「蛇退治」である。 長い棒の先に数本の釘を装着し、一撃必殺の武器を、製作…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.434

はしご酒(4軒目) その百と七十五 「アドベンチャー ノ ススメ」① 子どもたちが成長する過程において、絶対に必要だな、と思うものの中に、「アドベンチャー」がある、とAくん。 かねてから、授業はワクワク感が全てだ!、が、信条のAくんだけに、この意見には…

ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.433

はしご酒(4軒目) その百と七十四 「ムネン!」④ 「どうしようもないほど大きく、そして、重くのしかかってくる、からこそ、無念、なのだと思う。そうでなければ、人は、ソレを、無念、とは言わんだろう。なのに、にもかかわらず、はからずも、人は、どうにかし…