はしご酒(4軒目) その百と五十六
「ユカイハン ト カネノモウジャ ト ソノナカマタチ」②
「なぜ、そんなものが流されなきゃならないのですか、なにかメリットでもあるんですか、それとも誰かからの依頼かナンかですか」、と、思いつくまま、立て続けに問うてみる。
するとAくん、ほんの少しだけ意地の悪そうな顔をチラリと見せつつ、「おそらく、チラホラ程度の数しか棲みついてはいないだろうけれど、君の心の中の闇に、辛うじて生息する悪魔たちを、どうにかして掻き集めてみれば、その問いの答えが見えてくるかもしれないぞ」、と、返してくる。
私の中に闇なんてないし、悪魔だっているわけないじゃないですか、と、その返しに、速効で返し返(ガエ)したいところだけれど、もちろん、そうは問屋が卸さない。残念ながら、闇もあれば悪魔もいる。
極悪非道とまではいかないであろう、そんな私の中の二線級どまりの悪魔たちに、どうにかこうにか集合していただいて、そうした悪魔たちの立場で、視点で、ココはジックリと考えてみようと目論(モクロ)む。(つづく)