ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.415

はしご酒(4軒目) その百と六十六

「キ ハ ヤッパリ キ ダナ」②

 そんな「気」なのだけれど、この漢字そのものは、なかなか好きになれないままでいた。エナジーを感じないのだ。

 そんな折も折、目にしたのが、あの看板である。

 「気」は、やっぱり「氣」だな。

 コレに関しては、どうしても共感してもらいたくて、私の「氣」への拘(コダワ)り、「氣愛」について、Aくんに熱く語ってみる。

 すると、ほぼ即答で、「〆(シメ)と米(コメ)とじゃ、音は似ていても大違い、ハナから勝負にもならんだろ。まずは腹一杯、米を食ってから、というのは、昔も今も関係なく、時空を越えた真理だ」、とAくん。着眼点に、若干の違和感はあるものの、その言葉が妙に嬉しくて、おもわず、強引に握手をしてしまう。

 私の、力ずくの握手を早々に切り上げたAくんは、「それにしても、なぜ、〆の気、に、なってしまったのか。〆だよ、〆、その〆にナンの意味があるというのだろう。どうせ、つまらない大人の事情ってヤツなんだろうな、きっと」、と、もうすっかり、「氣」派の重鎮のような佇まいを放ち始めているものだから、さらに嬉しくなってくる。(つづく)