ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.402

はしご酒(4軒目) その百と五十三

「ヒカリカガヤク パワフルマン パワフルウーマン パワフルヒューマン!」①

 とはいうものの、残念ながら、誰しも心の中には、油断すれば、いとも簡単に炙り出される闇がある。しかしながら、たしかに闇はあるのだけれど、むしろ問われるべきコトは、その闇があるとかないとか、というコトなのではなくて、トンでもない嵐が吹き荒れた、そんなココ一番というときに、その闇を上回るだけのエナジーが、ソコにあるのかないのか、というコトなのだ、とAくん。

 闇があってナニが悪い、というオーラを、全身から迸(ホトバシ)らせつつ、その語りは、さらに体感温度を上げながら、熱く続く。

 言い換えるとするならば、エナジーなき者は、ここ一番というときに限って、その闇に引きずり込まれ、魂さえも奪われてしまう、ということだ。そして、その闇で無知と邪念とを主食にして生まれた排他的で利己的な偏見やら差別やらに、まみれにまみれてしまったエナジーなき者たちの、心ない言動の数々が、多くの罪なき人々の心を傷つけてしまうのだろう、と、結ぶ。

 申し訳ないが、Aくんの、その言い替え方が、あまりにもネガティブで後ろ向きなものだから、救われない絶望的な気分にさえなる。

 「言い換えるとするならば、エナジー溢れる者は、・・・という、そんな、そういう前向きな、そっち側の、ポジティブな話の展開などというものは、この場合、あり得ないのですか」、と、心地よい酔いの力も借りて、再び、プチ反旗を翻してみる。(つづく)