ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.418

はしご酒(4軒目) その百と六十九

「ジンルイノキキ ハ コノホシノキキ トハ カギラナイ」①

 懐かしの相棒、ももいろ号、と、♪自転車にのって、の、思い出に浸(ヒタ)っていると、いつものように唐突にAくん、「この星の危機は、間違いなく人類の危機だけれど、人類の危機は、必ずしも、この星の危機だとは、限らないんだよな~」、と、宣う。

 Oくんと暖簾をくぐらせてもらった二軒目で、ふと思い出した、ある大学の先生の話。そういえば、あの先生もまた同じようなことを宣っていた。

 愚かなる「核兵器」を、バカみたいに使いさえしなければ、そう簡単に、この星は、その寿命を終えてしまうほどヤワではない、という、そんな感じの興味深い内容であった。

 そのときのその話を、Aくんに、ナンとはなしにしてみる。

 「いいね~、その先生」、とAくん。

 「つまらない研修会だったのですが、その先生のときだけ、サ~っと霧が晴れたような」、などと、再び、思い起こしたりしているうちに、深く考え込みながらボソボソと、独り言のように語り続ける先生のその姿が、より一層リアルに蘇ってくる。

 ヤヤもすると、どうしても、「この星に住んでやっているんだぜ」、と、思いがちな、この時代、この時代に生きる我々、であるだけに、もう一度、あの先生の講義を、受けてみたくなる。(つづく)