ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.572

はしご酒(Aくんのアトリエ) その十三

「ヤラセテモロテマス」②

 「たとえば、政治を司るシモジモじゃないエライ人たちって、お客さん、というか、国民、というか、の、ために、と、言いがちだろ。でも、これって、結局は、国民のために、と、言いながら、最終的には国民を選んでしまう」

 「国民を選んでしまう?」

 「そう、国民を選ぶ。国民、が、いつのまにか、支持者、に、掏(ス)り替わる。当人たちは、おそらく、そんな気などサラサラない、と、宣うのだろうけれど、どうしても、国民のために、ではなくて、支持者のために、やらせてもろてます、みたいな、そんな感じに、なってしまう。そして、そうした姿勢が、考え方が、またまた更なる分断を生み、その分断を助長させていく。としか思えないわけよ。だから、だからこそ、の、全てお見通しだい、的な、あの、お天道(テントウ)さまのような、神さん、ね。そう、神さん。そもそも、政治関係者が、時折宣う、俯瞰(フカン)、とは、本来、そういうモノであろうし、そうあるべきだろ」

 なるほど。

 シモジモじゃない権力を握るエライ人たちが、常に、心の中で、そんな、お天道さま、やら、神さま、やら、のような、とてつもなく大きなナニかを思いながら、感謝の気持ちを込めて、やらせてもろてます、という感じになれたなら、たしかに、この、世の中の景色も、少しは、変わりそうな気がする。(つづく)