ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.567

はしご酒(Aくんのアトリエ) その八

「サイアクヲ ソウテイシナイママ ツキススムンジャー」①

 条件付きではあるものの、楽観主義も能天気も、一応、それなりに、認めてはいるAくんなのだけれど、でも、その、あまりの度の過ぎ具合に、コイツたちだけは放ってはおけない、ちょっと警鐘を鳴らしておかなければならないな、と、思っているらしいその「コイツたち」が、あの、超が付くほど楽観的な、攻めのスーパーダークヒーロー、「サイアクヲソウテイシナイママツキススムンジャー」。その名の通り、最悪を想定しないまま突き進む、らしい。

 そう、超が付くほど楽観的に、攻めて攻めて攻めまくるスーパーダークヒーローであるコイツたちが、Aくんに、不信感を抱かせてしまっているわけだ。

 で、コイツたち、まかり間違っても、トンでもないことが起こってしまったらどうしよう、とか、このまま放置していたら、きっとトンでもないことになるに違いない、とか、とは、絶対に考えたりしない。それぐらいパワフルなウルトラ能天気な、スーパーダークヒーローなのである、という。

 「その、コイツたち、長生きされるでしょうね」、と、少し呆れ気味に、私。

 「周囲の命を吸いまくって、生きて、生きて、生きまくるのだろうな~、きっと」、と、小馬鹿にでもするかのように、Aくん。

 しかし、Aくんには申し訳ないけれど、そういう生き方も、一般ピーポーならば、それもまた良し、という気もしなくはない。ネガティブなシンキング地獄に身を投じるぐらいなら、心配ごとや悩みごとなど捨て置いて、ポジティブに生きようとすることのほうが、ウンとマシなように思えるからである。

 するとAくん、そんな感じで心の中でコッソリと、私が、その手のスーパーダークヒーローの肩をもち始めたあたりを見計らうかのような、そんな絶妙のタイミングで、「でもね」、と、ユルリと重厚に語り始めたものだから、条件反射のようにグッと身構えてしまう。(つづく)