ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.434

はしご酒(4軒目) その百と七十五

「アドベンチャー ノ ススメ」①

 子どもたちが成長する過程において、絶対に必要だな、と思うものの中に、「アドベンチャー」がある、とAくん。

 かねてから、授業はワクワク感が全てだ!、が、信条のAくんだけに、この意見には一点の曇りもなく頷ける。

 ただし、アドベンチャーといっても、ナニがナンでもアウトドア、というわけじゃなくて、アナログであろうがデジタルであろうが、リアルであろうがバーチャルであろうが、トにもカクにもナンであろうが、冒険心を擽(クスグ)るような授業展開、という、そういう意味のアドベンチャーね、と補足する。

 アチらコチらに出て行って、リアルに冒険!、みたいな授業であるに越したことはないけれど、なかなかそうはいかないわけだから、その補足もまた、なんの抵抗もなく頷ける。

 正解が最初からあって、はい覚えなさい、なのではなくて、アレやコレやとトライしながらゴールに迫っていくような、そんな感じのアドベンチャー、ということであるらしい。

 そういう意味では、先ほど話題にのぼった「ディベート」もまた、一つのアドベンチャーと言えなくもない、かもしれない。

 思い返してみると、幼き頃より、学校の勉強というものを、「丸覚え」感満載、としか思えない、もちろん、たいした努力もしない、それゆえ、すっかり苦手意識をもってしまう、という、そんな私は、当然の如く、帰宅するやいなや、玄関にランドセルを放り出して、宿題もソッチのけで、随分とアドベンチャーな日々を送っていたな~などと、またまた、聞いているようなフリだけはしつつ、Aくんの「トにもカクにもナンであろうが、授業はやっぱりアドベンチャー」理論、から、スルスルと違うところへ飛んで行く。(つづく)