ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.817

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と四十八

「ロクワリセイジカ フタタビ!」

 「たとえば、民意と真実、あるいは、民意と正義。この両者、残念ながら、必ずしも相性がいいというわけではない。それほど民意というものは、『情(ジョウ)』によって支配され、左右され、そして、気まぐれで移ろい易い、ということだ」、と、半ば、嘆くように語り始めた、Aくん。この、幾度となく登場する「民意」という言葉。コイツが、なかなか手強くて厄介なんだ、と、語気を強めつつ補足する。そしてさらに、Aくんは、そんな、移ろい易い民意に、あの、6割政治家が絡んできたりするものだから、「厄介、ココに極まれり」ってなことに、なってしまうわけだ、と、ズシンと重く語り続ける。

 6割政治家、か~。

 「先ほども話題に上っていましたが、どう考えても、6割の市民の目をコチラに向けさえすれば勝ち、みたいな、そんな発想の政治家が幅を利かせている限り、この国も、この星も、絶対に良くはならない、と、思うのですが」、と私。

 「その通りだ。いとも簡単に市民の4割に負け組の烙印を押してしまう、などという政治手法、手口、の、その罪の深さは相当なものだ」、とAくん。

 「むしろ、その4割の市民に対してこそ、嘘偽りのない真っ当な説明が必要なはずなのに、数の論理で少数派を徹底的に叩き、力尽くでゴリ押ししてしまうというその体質は、どこからどう見ても暴力的、ですよね」

 「たとえば、反対派を反日的と短絡的に断罪する、などということ一つとってみても、ソコに、捨て置けないほどの暴力性を感じてしまうよな~」

 そんなこんなで、結局、分断を呼んでしまうのだ。

 市民を、国民を、悲劇的に、分断する。

 そして、一歩間違えれば、ファシズムさえも、呼ぶ。(つづく)