はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と九十七
「ソツギョ~ショ~ショック!」
「学歴詐称、ね~」
ん?
「そもそも、最終学歴なんて、もう、ドウでもいいだろ」
ん、ん~。
「コレだけ、金持ち相手のトレーニング系、塾。みたいなのが、ウジャウジャと、幅を利かせてきている中での最終学歴だぜ」
んん、ん~。
「幼少期から、成長過程において、人として、身に付けなければならない大切な多くのモノ、コトを、捨て置いて、犠牲にして、バカみたいに徹底的にトレーニングされて、鍛え上げられて、得た、受験力に、点取り力に、どれほどの意味があるってんだ」
なるほど、そういう意味か。そういう意味なら、わからなくはない、か。
「にもかかわらず、ナゼか、プロフィールには最終学歴。いらねえだろ、そんなの」
ナニを学んだのか。ナニが専門なのか。なら、まだ意味があるのかもしれないが、たしかに、ドコソコを卒業した、に、意味があるとは思えない、か。
「百歩譲って、たとえば、『そうじゃねえんだ。地頭(ジアタマ)の良さをアピールしたいだけなんだ』みたいなコトなら、ソコまでソンなものに拘(コダワ)りたいのなら、小学校低学年であった頃のあなたの通知票のコピーでも、選挙ポスターにペタりと貼り付けておけばいい。と、僕なんかは思うんだけどね~」
たしかに。
ナニがナンでもそんなモノを世に知らしめたいのなら、まだ、ソチラの方がマシかもしれない、か。
「あえて、あえて何度も言わせてもらうけど、ドウでもいいんだよ、そんなモン!」
ホント、マジ、どうでもいい、な。
そんな気が、ズンズンとしてきた。
「なのに、ナンともカンともな『ソツギョ~ショ~ショック!』」
卒業証書っく?
あ、あ~、卒業証ショック。
「最終学歴の卒業証書があるとかないとか、で、その立場までもが危うくなってしまう政治家たち。ナニやってんだよ、って、話だろ」
おっしゃる通り、ナニやってんだよ、って、話だ。
「今まで、ナニをやってきたのか。コレから、ナニをやろうとしているのか。ナニを問題視して、ナニを許せないのか。が、重要なわけで、肛門の周りにへばり付くクソみたいな肩書きなんて、この際、関係ねえだろバカやろ~。と、思わないかい」
「思います」
メチャクチャ、思う。
「最終学歴に、卒業証書に、妙に拘(コダワ)る候補者も有権者もドチラも、そんなコトよりも、今、ソコにある危機に、捨て置けない問題点に、全力で集中しろよ。取り組めよ。取り組んでくれよ」
なるほど、なるほどな。
納得もできるし、腑にも落ちる。
真に許せないコトは、というか、許してはいけないコトは、学歴詐称(サショウ)、ごときではなくて、この今、そして、コレから、利権やらカネやらに塗(マミ)れに塗れたダークな誰かによって企てられている、企てられようとしている、悪行。そして、その悪行は、ナンとしてでも阻止しなければ、間違いなく、禍根を残す。悔やんでも悔やんでも、もう、悔やみ切れない。(つづく)