ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.671

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と十二

「ヨウカイ ヤツアタリ」①

 この世の中、その、人間関係において、アレやコレやとトラブル数多(アマタ)あれど、その何割かは、この、理不尽で人騒がせな妖怪ヤツアタリが、怪しく関わっているのではないのか、と、訝(イブカ)るAくん。

 「その、妖怪ヤツアタリ、一体全体、どんな悪さをしでかすというのですか」、と、問うてみる。

 するとAくん、「考えてみてごらんよ」、と、ボソリと呟いたそのあとで、ユルリと、その妖怪がしでかす悪行のアレやコレやを語り始める。

 「人の心は脆(モロ)く、傷つきやすく壊れやすい、という話は、先ほどもさせてもらったよね。だから、だからこそ、こうして手を合わすんだ、とも」

 フムフム・・・。

 先ほどの、Aくんの、「手を合わす」噺(バナシ)を思い起こしながら、おそらくソコからの展開であろう「妖怪ヤツアタリ」噺に、耳を澄ます。(つづく)