ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1361

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と九十二

「ザ チェリーピッカー!」

 「Cherry picking(チェリーピッキング)」

 ん?

 「Cherry picker(チェリーピッカー)」

 んん?

 「熟した甘いサクランボだけを摘んで喰う、みたいな」

 んん、ん~。

 その、ドコに問題があるのか。

 熟していない、甘くない、そんなサクランボを、わざわざ選んで食する人などそうそういない。

 「とくに問題ないだろ、と、今、思ったろ」

 うっ。

 「お、思ってないです」

 「思って、当然」

 えっ。 

 「熟した、甘い、サクランボだけを摘んで、喰って、ナニが、ドコが、悪い」

 ほっ。

 「ソレがサクランボならな」

 へっ。

 「たとえば、先ほどの、問題点の指摘を難癖としかイチャモンとしか思えない、捉えられない、連中なんて、まさにコレ。the cherry picker。問題点の指摘は、熟していない甘くないサクランボ、な、わけだ」

 指摘が、甘くないサクランボ、か~。

 んんん、ん~。

 つ、つまり。

 熟していないように、甘くないように、思ってしまう側の、そうとしか捉えられない側の、問題だということか。

 あっ、そ、そういえば。

 口癖なのか、ヤタラと「専門家の間でも様々な意見がある。対応は適切だった」と繰り返す地方自治体のトップがおられたりするが、ソレなども、まさに、その、ザ、チェリーピッカーというヤツなのかもしれない。

 「いただけないのは、熟していないサクランボの方なのではなく、むしろ、御用学者の、御用有識者の、御用コメンテーターの、言葉、意見、しか、摘めない、摘まない、喰えない、喰わない、the cherry pickerの方というわけだ」

 納得。

 ザ、チェリーピッカー。マジ、いただけない。

(つづく)