はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と九十二
「ザ チェリーピッカー!」
「Cherry picking(チェリーピッキング)」
ん?
「Cherry picker(チェリーピッカー)」
んん?
「熟した甘いサクランボだけを摘んで喰う、みたいな」
んん、ん~。
その、ドコに問題があるのか。
熟していない、甘くない、そんなサクランボを、わざわざ選んで食する人などそうそういない。
「とくに問題ないだろ、と、今、思ったろ」
うっ。
「お、思ってないです」
「思って、当然」
えっ。
「熟した、甘い、サクランボだけを摘んで、喰って、ナニが、ドコが、悪い」
ほっ。
「ソレがサクランボならな」
へっ。
「たとえば、先ほどの、問題点の指摘を難癖としかイチャモンとしか思えない、捉えられない、連中なんて、まさにコレ。the cherry picker。問題点の指摘は、熟していない甘くないサクランボ、な、わけだ」
指摘が、甘くないサクランボ、か~。
んんん、ん~。
つ、つまり。
熟していないように、甘くないように、思ってしまう側の、そうとしか捉えられない側の、問題だということか。
あっ、そ、そういえば。
口癖なのか、ヤタラと「専門家の間でも様々な意見がある。対応は適切だった」と繰り返す地方自治体のトップがおられたりするが、ソレなども、まさに、その、ザ、チェリーピッカーというヤツなのかもしれない。
「いただけないのは、熟していないサクランボの方なのではなく、むしろ、御用学者の、御用有識者の、御用コメンテーターの、言葉、意見、しか、摘めない、摘まない、喰えない、喰わない、the cherry pickerの方というわけだ」
納得。
ザ、チェリーピッカー。マジ、いただけない。
(つづく)