ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1359

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と九十

「コメ モンダイ! コメ モンダイ?」

 「トにもカクにもナンやカンやとイロイロあるが、とりあえず、今は、『米』に尽きる、かもな」

 コ、コメ?、コメに尽きる?

 「コメ、ヨネ、マイ、ベイ、メートル、アメリカ」

 あ、あ~、米。米ね。

 「読み方もイロイロだけれど、その由来も諸説イロイロ。僕的には『米には八十八人の神さんが宿っている』という説を推したいんだけどね」

 「88人の神さま、ですか」

 「そう。だって米って漢字、漢字の『八』、『十』、『八』だろ」

 八、十、八?

 ん、んあ、あっ、ホントだ、八十八だ。

 「神さんが八十八人もだぜ。ソレぐらい、古(イニシエ)よりメチャクチャ大事な食材だった、と、いうことなんだろう」

 た、たしかに。

 米は、この国を、この国のピーポーたちを、下支えし続けてきたと言っても過言ではない、かもしれない。

 「まさに、米の国、ですね」

 「そう、その通り、米の国。米づくりの国だ」

 ただし。

 ココにきて、というか、以前から、というか、気になって気になって仕方がないコトもないわけではない。

 奇妙な、あの、減反政策。

 困難な、黒字化。

 切実なる、後継者不足。

 必然的に、生産者の高齢化。

 ヤタラと目にするようになってきた、耕作放棄地。

 ・・・

 「今」

 ん?

 「今、巷を賑わしまくっている米問題は、米の問題で非(アラ)ず」

 えっ。

 「むしろ、米が、米づくりが、米をつくる人々が、軽んじられている問題、だと、僕は思っている」

 軽んじられている、問題、か~。

 「楽観的過ぎる能天気な一般ピーポーやらコメンテーターやらが宣うわけよ」

 ん、ん?

 「米?、ほとんど食べないし。太るらしいし。米の価格の高騰?、輸入米が、備蓄米が、パンが、あるじゃん。そもそも、なんで、農業だけ守るんですか。と、きたもんだ」

 ん、んう、うっわ~。

 「見事なまでの教育の成果、だろ」

 「きょ、教育の成果、ですか」

 「そう。学校教育、のみならず、メディアやらナンやらカンやらの総力を挙げて、米に宿る八十八人の神さんを軽んじてきた、どころか、足蹴にしてきた、ということなんだろうよ」

 なんだか、思いっ切りバチが当たりそう。

 ピーポーたちの命に、ダイレクトに関わってくる農業さえも守れないこの国に、明るい未来があるとは、到底、思えない。(つづく)

 

 

追記

 買い占め?、売り惜しみ?、米不足?、米の高騰?。など、不本意ながらもイロイロあったりするけれど、いずれにせよ、生産者さんたちは、とくに小規模農家さんたちは、苦しいまま。

 そして、そんなコレまでの国の愚策を、無策を、誤魔化すかのような、目を晦(クラ)ますかのような、備蓄米の放出劇。放出喜劇。を、有り難(ガタ)がる一般ピーポーたち。

 もう、憤りも、悲しさも、飛び越えて、笑けてさえくる。