ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.491

はしご酒(4軒目) その百と百と三十二

「ビビル ビビラー シンドローム」①

 Aくんによれば、己の言動が、コトの真理や正義や美徳をベースにするのではなく、世論や評価や非難に、心、乱され、ビビらされ、大きく左右される、という、そんな、ビビラーたちが、不本意ながらも増殖中である、という。

 そして、その増殖に、あのネット社会も、ベッチャリと関わっていることは、言うまでもない。

 あのネット社会、私たちが、こよなく愛する、この居酒屋社会と、似ている点も無きにしも非ず、という気もしなくはない。

 たとえば、この居酒屋社会も、あのネット社会も、ドチラも、ソコに身を投じている人たちは、そう簡単には、人を称賛しない。口から出てくるものは、そのほとんどが、愚痴やら文句やら。ストレス発散という意味では意義がありそうだけれど、そう誉められたものではない。

 そんな話を、なんとなくしていると、Aくん、「でもね」、と、居酒屋擁護論をぶちまけ始める。

 「でもね、外に向けて、全く発信力のない、発信しようともしない、そんな、その場だけの自己完結型である居酒屋社会と、その発信力と拡散力が持ち味のネット社会とを、同じ土俵に上げて語るには、少し抵抗があるな~。ネット社会は、居酒屋社会のように、顔と顔とを付き合わせて、ア~だ、コ~だ、と、愚痴やら文句やらを言いまくったりしているわけではないから、出どころもよくわからないまま、無責任にド~ンと拡散する。コレは、かなり恐ろしいことだ」

 無責任なまでの発信力と拡散力か~。ソコに、ネット社会がもつ恐ろしさがある、というAくんの指摘、もちろん、わからなくはない。(つづく)