はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と四十八
「ヨンセンマンニン ガ ヒンコン?」
「もう一つ」
ん?
「己の、己の国のコトを棚に上げて、よその国のコトをアレコレ、ドウのコウのと宣うことに、メチャクチャ抵抗はあるんだが」
んん?
「ま、人の振り見て我が振り直せ、人を以て鑑と為す、なんて諺(コトワザ)もあることだし、あえて」
んんん?
「とはいえ、さすがに、ちょっと、俄(ニワカ)には信じ難いのだけれど」
んんんん?
「ある超大国の国民の内の、なんと、4000万人が貧困。らしいんだよな」
ん、ん、んえ、えっ!?
「4000万人だぜ、4000万。もちろん、貧困の定義は国によって違うとは思うが、だけど、やっぱり、貧困は貧困。貧しさに苦しむことに国も定義もヘチマもないはず。その、貧困が、一つの国で4000万人。しかも、自由と民主主義を高らかに宣言している超大国でだ」
ん、ん、ん、ん、ん~。
「圧倒的な、圧倒的なチカラをもつその国のそのチカラとは、いったい、ナンなんだ。って、話だよな」
圧倒的な国力。
自由。
民主主義。
貧困。
格差社会。
「結局、人間ごときが考える『自由と民主主義』なんて、所詮、絵に描いた餅。『虚構』に過ぎないということなのでしょうか」
「虚構、ね~。虚構じゃ困るんだが、だけど、情けない話だが、人類ごときには、そのハードル、高過ぎるのかもな」
人類ごときには、そのハードル、高過ぎる、か~。
ん、ん、ん、ん~・・・。
ココにきて、ガタがき始めてグラグラの自由と民主主義。は、ヤヤもすると、どうしても、勝つも負けるも、成功するも失敗するも、金持ちになるも貧乏になるも、トドのつまりは、生きるも死ぬも、全て、貴方の自由、貴方の権利、貴方の責任でお好きなように、という、あの「新自由主義」、の、その波に、呑み込まれていきがちだということか。(つづく)