ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.961

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と九十二

「ケツゼイ ツカイマセンツカイマセン サギ」

 一見、旨味がありそうな、国家的、自治体的、巨大プロジェクトで、血税は使いません、ほとんど使いません、コレだけしか使いません、などと宣い出したら要注意。というのが、もうすでに、一般常識となりつつある、とAくん。「たしかに旨味はあるかもしれないが、ソレって、ダレにとっての旨味だよ、って話だよな」、と、ソコに、畳み掛けるように熱く被(カブ)せていく。さらに、「でもね、ソレでも信じてしまう、信じたくなってしまうピーポーたちってのが、どうしてもいるわけだ。ま、コレだけ不況やらナンやらが続くと、少々怪しくても、そうした旨味がありそうなモノに気持ちがもっていかれてしまいがち、というのも、わからなくはないけどね」、と、強弱、剛柔、織り混ぜつつ、語り続けるAくんの熱量は、まだまだ下降線を辿(タド)りそうにない。一度押された怒りの愚痴スイッチは、そう簡単には解除などできないのだろう。

 「最初に、『大事な血税なれど、コレは絶対に必要なコトですから、最大この程度までの額の血税は使わせていただきたい。是非ご理解願いたい』、と、言わなきゃいけないところを、血税は使いません、ほとんど使いません、コレだけしか使いません、などと宣ってしまうその手口。場合によっては、その後の展開によっては、ソレって詐欺だろ、って、言われても仕方がないとは思わないかい、違うかい」

 詐欺、か~。

 「とりあえず、そのプロジェクトを通すために、最初のうちは当たり障(サワ)りのないモノにしておいて、上手い具合にサラッと通してからジワリジワリと、ジワリジワリとむしり取っていくわけだからな~、いやはやホントに大したもんだよ、まったく」

 Aくんが熱く指摘する、この「血税使いません使いません詐欺」。稚拙で姑息な手口ではあるけれど、結構、そこかしこでソレなりに社会的地位も得て、グチュグチュと増殖し、蔓延り、のさばり出しているような気がする。(つづく)