はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と九十一
「モンク アルナラ ケンポウシンサカイ カラ デテイケ」
「無知がもたらす愚かなる暴言」
ん?
「文句あるなら、憲法審査会から出ていけ」
んん?
「こんな戯(タワ)けたコトを平然と宣ってしまえる国会議員が、いたりするわけよ」
んんん~。
「つまり、つまりだ。同じ方向を向いた者だけで議論を尽くす場が、憲法審査会だと」
んんんん~。
「普通、ソレを、議論を尽くすとは言わんだろ」
言わない。
憲法審査会までもを、あの人たちは、あの人たちが得意とする、いつもの、あの、「閣議決定」みたいなモノに仕立て上げたいのだろうか。
「学級会でさ」
ん?
「ある生徒が、担任の先生の考えに反対の意見を述べたとしよう。すると、声を荒げて言うわけだ、担任の先生が。『文句あるならクラスから出て行きなさい』ってね」
う、うわ~、最悪だ。
「普通、ソレを、学級会とは言わないよな」
言わない。
「そんなあの人たちに、そもそも『改憲』を口にする資格があるのか、否か。ま、見ていてごらんよ。個人の権利とか自由とか尊厳とか、といったモノを、見事なまでに軽んじて、やれ、家庭が~、組織が~、国家が~、などと、宣い出すから」
家庭が~、組織が~、国家が~、か~。
おそらく、あの人たちは、国家の権力を制限するという、目の上のタンコブのような憲法が、とにかく気に入らないのだろうな。だから、憲法を国民から取り戻せ、みたいな、そんな感じなんだろう、きっと。
そう。
憲法を、国民から、取り戻す!
(つづく)