ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1314

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と四十五

「コレデモ マダ ジコセキニン? マダ ジジョ?」①

 「国会中継とか見たりするかい」

 国会中継、か~。

 「言い訳をするつもりはありませんが、時間帯が」

 「だよな。あの時間帯では見れる人間って、かなり限定される」

 「BS(ビーエス)あたりで、夜、再放送してくれれば」

 「BS、ね~」

 「多分、視聴率はメチャクチャ低いでしょうけど」

 「あの業界の関係者たちって、ヤヤもすると番組の内容よりも視聴率を気にしがちだからな」

 たしかに。

 「ま、元々苦戦しているBSなんだから、苦戦ついでに思い切って、同時解説付きでやっちまえばいい。ほら、あの、プロレス中継みたいに」

 プロレス中継、みたいに?

 「ヤタラと上から目線の逸(ハグ)らかし答弁に、メリハリもエッジも効いた解説者たちが面白可笑しく、ながらも、鋭く、深く、真っ当に、突っ込みを入れまくる」

 ん、ん~。

 「おっと~、さすが父親譲りの repeat king(リピート・キング)。野党側の戦意喪失を狙った見事なまでの繰り返し技に、若手のホープも苛立ちを隠せないか~」

 おっ。

 「またもや~、己の政治家生命を守るためなら shifting theissue(シフティン・ジ・イシュ~)。論点ずらしの逸(ハグ)らかし技で時間切れを狙う、か。姑息とはいえ戦術としては悪くはないでしょう」

 お~。

 「みたいな、感じで、な」

 たしかに、悪くはないかも。

 その手の答弁たちの裏側にある真意やら本音やらを解説者たちが炙り出してくれるなら、ソレはソレでソレなりに意義はあるだろうし、あの人たちがメチャクチャ気にしている視聴率も、少しは取れるような気がする。

 とはいえ。

 おそらく。

 そんな有機的で生っぽい国会中継なんて、まだまだズッと先の夢のまた夢。

 でも、とりあえず、時間があれば、私なりに、この今の、リアルな、淡々とした無機的な雰囲気漂う国会中継のダイジェスト版みたいなのを、YouTube(ユーチューブ)などで見るようにはしている。(つづく)