ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.830

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と六十一

リテラシーリテラシー?」②

 拍子抜け気味のAくんのその言葉から、あらためて、リテラシーを獲得することのそのハードルの高さが、リアルに眼前に迫ってくる。

 しかしながら、そうは言っても、もちろん、リテラシーなるものを軽んじてしまえば、トンでもないコトが、私たちが気付かないうちに起こってしまうのではないか、という危惧もまた、ズシンと重くある。

 ナニが正しいのか。 

 ナニが正しくないのか。

 正しくないとはナンなのか。

 ある人が、以前、こんなコトを話していたことを思い出す。

 正しきコトには、必ず弱点がへばり付く。

 正しきコトを語る人は、必ず、その弱点を語る。

 悪しきコトには、必ず美味い話がへばり付く。

 悪しきコトを語る人は、必ず、へばり付いている美味い話ばかりを語る、語りたがる。

 そんな内容であったかと思う。

 おそらく、彼は、どれほど美味い話でも、まず、疑ってかかる姿勢を忘れることなく臨むことが大切、ということを、一つの教訓として私たちに告げようとしていたのだろう。

 リテラシー

 あえて、リテラシーパワーと呼ばせてもらおう。

 美味い話。

 甘言蜜語(カンゲンミツゴ)。

 ズル賢い悪魔たちの囁きのようなソレらに、私たちのリテラシーパワーは、はたして、惑わされることも怯(ヒル)むこともなく、立ち向かうことができるだろうか。(つづく)