はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と三十八
「ケツゼイ ト ドンブリカンジョウ ト ゼツボウ ノ ゲンバ ト」
「やろうとするコトが大きければ大きいほど、コレでもか、と、思うぐらいの緻密さで臨む。その緻密さがあって、はじめて、成し遂げられる。にもかかわらず、その緻密さが、あまりにもアッチ向いてホイなものだから、もう、現場は、絶望的。なんてコトが、結構、そこかしこであったりするんだよな」、とAくん。
ん?
ひょっとすると、ナニかと巷で話題の、あの、ビッグイベント系の公共事業のコトか。
「そもそも、その能力がないのか。もともと、ヤル気がないのか。はたまた、いろんなトコロからの要望を聞き過ぎてニッチもサッチもいかなくなってしまっているのか。あるいは、トンでもないほどの楽観主義者なのか。なんにしても、ヘタをすると、巨額の血税をドブに捨てる、みたいなコトになってしまいかねないだけに、捨て置けないわけよ」
間違いない、あのコトだ。
ん~、多分、調整が、連携が、極めて苦手なのだろう。あの人たちの普段の言動に鑑みて、みても、そんな気がする。
「先ほども、ちょっと、エラそうに宣わせてわせてもらったけれど、トータルコーディネイトできないタテワリーズたちのおかげで、マジで現場は『絶望の現場』らしいぜ」
絶望の現場、か~。
「情けないよ、まったく」
ソレが真(マコト)なら、たしかに情けない。
「ようするに、いい加減なドンブリ勘定で臨めば、現場のそこかしこで、トンでもない支障がポコポコと湧き出しまくる、ということだ」
しかし、アレほど注目されているわけだから、普通の神経なら、そう簡単には、ドンブリ勘定なんかで臨めないと思うのだけれど。いったい、あの人たちの頭の中は、心の内は、ドウなっているのだろう。
「普通の神経なら、投入する血税が巨額になればなるほど、より慎重に、緻密に、なると思うのですが。ナゼ、そのドンブリ勘定ってヤツになってしまうのでしょう」
すると、Aくん、ニタッとほくそ笑みつつ、「他人の財布だと思っているんだろ。自分の財布なら、あんな無尽蔵で青天井なカネ(金)の使い方はしないだろうからな」、と。
血税は他人の財布、か~。
仮に、マジでそんなふうに血税を捉えているなら、絶望の現場、どころか、絶望の一般ピーポーたち、に、さえ、なりかねないな。
くわばら~くわばら~。
(つづく)
追記
ちなみに「くわばらくわばら」は、あの菅原道真ゆかりの呪文。彼の屋敷があった「桑原」という町は、まったくカミナリが落ちなかったそうな。
菅原道真、恐るべし。
恐るべしついでに、道真公に、寝ぼけ気味の議員やら関係者やらにシャキッとしてもらうため、ココは一発、ゴロゴロビッシャ~ンとカミナリでも落としていただこうか。