はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と三十七
「ホウニノットッテーズ ハビコル!」
「法に則(ノット)って、って、ナンなんだよ、いったい」
オープニングからハイテンションな、Aくん。
「あたかも、法が、免罪符かのようなモノ言い」
お怒りモード、・・・
「法に則ってやっているのだから問題はない、だって~。よく言うよ、まったく」
・・・、全開。
「だいたいからして、あの人たちがつくった法だろ。そもそも最初から、意図的に、あの人たちの免罪符になるような建て付けになっているんじゃないか、って、勘繰りたくなるよな」
最初から、免罪符になるような建て付け、か~。
たしかに、そう勘繰りたくなる。
アレほど、しつこいぐらい「法に則って、法に則って」と宣われると、つくった当人たちにとって都合がいい、使い勝手がいい、抜け道まみれの「ザル法」だと、どうしても、思わざるを得ない。
「先ほどのミソギガスンダーズ風に命名させてもらうとするなら、ホウニノットッテーズ、あたりか」
ホウニノットッテーズ、か~。
「ならば、アタマに『ザル』を付けておかないとダメでしょうね」
「ザルを?。あ、あ~、ザル、ホウニ、ザルホウニノットッテーズ、か。なるほど。ザル法を免罪符にして姑息な逃げ切りを図るあの人たちに、ドンピシャの命名だな」
そう、ザルホウニノットッテーズ。
恐れを知らない、天下無敵のザルホウニノットッテーズたちもまた、蔓延る蔓延る、蔓延りまくっている、政界。かの越後屋が、悪代官やら家老やらに取り入って懐(フトコロ)を肥やしまくったように、民と官とのタダならぬ癒着は、今の世でも衰えを知らず、と、いったところだろうか。
恐ろしや~恐ろしや~。
(つづく)