はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と二十五
「スマホヲステタイコドモタチ」
ん?
手もち無沙汰から、何気に手にした一冊の本を、パラリと開いてみる。
スマホにかじりついているなと思う人は、一度、「スマホ・ラマダン」をやってみるといいと思います。
スマホの利点も欠点もわかるようになるのではないでしょうか。
んん?
あらためて表紙を見直す。
『スマホを捨てたい子どもたち』?
京都大学総長:ゴリラ研究者?
山極寿一?
「コレ、随分と、切り口が面白そうな本ですよね」
「だろ~。君が言うところの電車内読書、電読(デンドク)にも、僕オススメの便所内読書、便読(ベンドク)にも、ピッタリの一冊だと思う」
「コレもお借りしていいですか」
「どうぞどうぞ」
また一つ、通勤電車内での密かなお楽しみが増えたような気がして、少し気持ちがフワンとする。
するとAくん、「その、『スマホを捨てたい子どもたち』を読んだから、というわけではないんだけれど、僕はね、この、現代社会が抱える闇、その闇に、絡む、キーワードの一つが、いかにして依存から抜け出すか、いかにすれば依存から抜け出せるか、だと思っている」、と。
依存から、か~。
これだけ、お手軽に、手が届くところに「利便性」があるのだ。便利、楽(ラク)、楽(タノ)しい、繋がる、ゴマかせる、逃げられる、そんなアレやコレやの「利便性」絡みの数々が、いとも簡単に手に入ったりするのだから、当然のごとく、そう簡単にはソコから抜け出すことなんてできっこないだろう、などと、フワンとした気持ちをギュッと引き締めつつ、思ったりする。(つづく)