ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.683

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と二十四

「ブツブツ カラネンブツ」

 ブツブツと、繰り返し繰り返し空念仏(カラネンブツ)を唱えるだけで、ソコには空虚感がドンヨリと重く漂うだけだ、と、なにやらズンとヘビーに語り始めたAくん。

 権力を握るシモジモじゃないエライ人たちが、ソレが真実であろうがナンであろうが、その部分は絶対に、口が裂けても話すわけにはいかない、という、そんな場合に、なんと批判されようが、どんなにバカにされようが、苦肉の空念仏を、その時が来るまでシツコイまでにリフレイン、ブツブツと、ブツブツと、ブツブツと唱えるのだ、と、一層、ソコに被(カブ)せるようにズズンとヘビーに語り続ける。

 しかしながら、この空念仏、空念仏と言えども念仏は念仏、ある一部の人たちには、かなり有り難がられたりするものだから、なかなかどうして、結構厄介であったりするのだ、と、もう、ヘビーすぎて、地中深くにまでズブズブと、ズブズブと、ズブズブと沈んでいってしまいそう勢いの、Aくん、さすがにこのままではマズイと思ったのか、フ~ッと小さく息を吐いたあとおもむろに、グビリと喉を潤す。(つづく)