はしご酒(3軒目) その六十一
「ヤッパリ キョウイク!」③
「学校とはナンだろう、真の教育とはナンだろう。か~」
えっ。
「ダレのための、ナンのための、教育なんだろうな」
ヤ、ヤバい。
酔いのせいもあると思うが、心の中で呟いているつもりが、つい、ブツブツと、ブツブツと口に出してしまっていたようだ。
「気にしないでください。酔った勢いで口走ってしまっただけですから」
「ソコをハッキリさせないまま放置してきた側の人間だから、僕も」
うわ~。
ネガティブな私のブツブツによって、Z’さん、デクレッシェンド。
あ~、調子に乗って、ベラベラとナニ喋ってんだか、私は。メチャクチャ後悔する。
すると。
そんなZ’さんと私の前に、ス~っと、円柱形のグラス、タンブラーが運ばれる。
あ、赤い。
その、鮮やかな色合いに、なんだか少し、救われたような。
「真っ赤ですね、なんというカクテルなのですか?」
「あ~、コレね。悪魔、エル・ディアブロ。ま、騙されたと思って、味わってみてよ」
恐る恐る口元に。
カシスが香る。
「ん?、辛口、意外です」
「テキーラベースで、度数は高い。そういう意味でも、悪魔、かな」
この、エル・ディアブロ。私とZ’さんの今のココロモチに、見事なまでに、ドンピシャ、かも、しれない。(つづく)