ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.231

はしご酒(3軒目) その六十

「ヤッパリ キョウイク!」②

 「現場は、たしかに、荒れ模様だからな~」、と、再び、少しモヤがかかってしまったZ’さん。

 妙に、その「荒れ模様」に引っかかる。

 Aくんが宣っていたことを、そのまま丸ごと鵜呑みにするならば、現場はすでに、荒れ模様であることすら放棄してしまったように、思えるからだ。

 トップダウンの硬直化、その中で、心ある学校の先生は、音もなく静かに心身ともに疲弊していく、そういうイメージだろうか。

 考えてみると、たとえば、「学校とはなんだろう、真の教育とはなんだろう」という問いかけに、誰もが納得できるように答えられるシモジモじゃないエライ人にお目にかかることなど、まず、ないような気がする。それどころか、そもそも、そんなことに問題意識をもっているとは、申し訳ないが、到底思えない。そういうエライ人たちがイニシアチブをとっているがゆえに、教育の根幹がプスンプスンと希薄になっていくこともまた、当然といえば当然なのかもしれない。

 そんなことだから、いとも簡単に、テストの点数アップ=評価(もちろん、生徒だけでなく先生も、である)、などという単純で稚拙な図式みたいなものが、出来上がってしまったりするのだろう。(つづく)