ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.233

はしご酒(3軒目) その六十二

「ヤッパリ キョウイク!」④

 すると。

 徐(オモムロ)に、Z’さんも、その真っ赤な悪魔を、静かに、緩やかに、舌の上で転がすように、一口。

 すると。

 凍てつきかけていた空気が、時間の流れが、少し、ホワンと緩み出す。

 真っ赤なエル・ディアブロの悪魔の力が、あたかも天使の力のように感じられた瞬間である。

 すると。

 Z’さん、復活の狼煙(ノロシ)を上げるかのように、ユルリと、クレッシェンドに、語り始める。

 「考えるチカラ。考え抜くチカラ。真理を、正義を、愛を、知るチカラ。見抜くチカラ。貫くチカラ。そんなチカラたちを、時間をかけて、焦ることなくジックリと育むことが、学校の、教育の、使命だと、僕は思っている」

 お~。

 きっと、この、エレガントでいてパワフルな真っ赤な天使のチカラが、彼の魂を呼び戻してくれたのだろう。

 おそらく、Z’さんが宣うところの「チカラ」もまた、この真っ赤な天使と同じように、力任せに相手をねじ伏せるような、破壊するような、そんな「剛(ゴウ)」のチカラなのではなく、そっと両手で包み込むような、寄り添うような、そんな「柔(ジュウ)」のチカラなのだろうな。などと、エラそうに、わかったようなコトをアレコレ思いながら、エル・ディアブロを、もう一口。(つづく)