ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.02

入店

 割烹居酒屋とまではいかないが、大箱の大衆居酒屋という感じでもない、私にとって丁度いい塩梅の馴染みの居酒屋で、たびたび酒を呑み交わしたAくんは、「だいじょうぶ?」、と、ちょっと心配になってしまうほど不器用で生真面目、そして怒れる学校の先生であった。

 もっぱら酒の肴(サカナ)は、Aくんの愚痴やら文句やらの数々。この、世の中のそこかしこへの手当たり次第の愚痴やら文句やらの数々が、実に気色いい酒の肴と、アテと、ツマミと、なるのだ。

 そこそこ反体制的でアバンギャルド。標的は、たいていAくんが言うところの「シモジモじゃないエライ人たち」。もちろん、誉め言葉ではない。

 ・・・

 今宵は、シッポリひとり酒。

 Aくんの、そんな気色のいい酒の肴の数々を思い起こしながら、一献傾けてみようと目論んでいる。(つづく)