ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.518

はしご酒(4軒目) その百と百と五十九

「セイギ ノ ショウコインメツ」

 世の中には、「正義の証拠隠滅」というものがある、とAくん。

 大切なナニかを守るための、大切な、正義の証拠隠滅なのだ、という。

 とはいうものの、このウルトラ特権、シモジモであるエラクナイ一般ピーポーには、当然の如く認められておらず、権力を握るシモジモじゃないエライ人たちに限られているものである、らしい。仮に、調子に乗って、一般ピーポーが、このような証拠隠滅を敢行してしまったとしたら、限りなくそれは、「犯罪」の様相を呈してくる。それほど、この「正義の証拠隠滅」は、怪しさまみれ、ということだ、と、吐き捨てるように補足する。

 「問われるべきものは、守りたいナニかの、そのナニが、ナニなのか、ですよね」、と私。

 「百歩譲って、そのナニが、シモジモである側を向いているのであるのならば、少しは理解もできそうなのだけれど、残念ながら、守りたいそのナニの、その根底にあるものが、シモジモじゃない方々の、単なる保身、ダークな出世欲、であり、その周辺には、そのための、上への忖度、媚びへつらい、という、姑息な悪臭が漂いまくっているのではないか、となると、なんとも理解し難い、と、言わざるを得ないな」、とAくん。

 相変わらずのヤヤこしい言い回しではあるけれど、その核心は、ハッキリと見える。

 この、(好ましくない意味での)とてつもなく小市民的な、権力者たちの器の小ささは、いったい、どこから来たものなのだろうか。

 考えれば考えるほど、ズシンと重く、悲しくなる。(つづく)