ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1239

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と七十

「キシャクラブ! キシャクラゲ?」

 「僕が、敬愛してやまない『ジャーナリスト』という職業。そのジャーナリストにとって最も大切なのは、ありとあらゆる権力からも圧力からも、そして、目先の利権からも損得からも、更には、仲良しとかそうじゃないとかからも、ナニがナンでも解放されていること。そうでなければ真っ当なジャーナリズムなんて存在し得るはずがない」、と、オープニングからヤタラと気持ちが良すぎるぐらいテンションが高い、Aくん。

 「そんな中で、このところ、なんだか妙に気になって仕方がないのが、『記者クラブ』ってヤツ」

 「記者クラブ、ですか」

 「皆が皆、全てそうだとは思わないが、『予定調和的な無難主義』感、満載だろ」

 予定調和的な無難主義、か~。

 「今、ソコを突っ込まなくて、ナニがジャーナリスト、ドコがジャーナリズムだ、ってこと」

 ん~。

 「僕はね、そういった実に会社員っぽい似非(エセ)ジャーナリストたちを、失礼ながら、コッソリと、『記者クラゲ』と呼ばせてもらっている」

 ん?

 「き、記者クラゲ、ですか」

 「そう、クラゲ。クラゲには脳なんてなくて、反射神経だけで生きているらしい」

 「反射神経で、だけですか」

 「そう、反射神経で、だけだ。だから、記者会見から、記者クラブから、摘まみ出されないように、無意識に、反射的に、ビビり、忖度するのだろう」

 反射的に、ビビり、忖度、か~。

 「質問内容やらその追求やらの甘々さを目(マ)の当たりにして、申し訳ないが、残念ながら、そう思わざるを得ない」

 あ~。

 「あのフワフワとしたゼラチン質も、なんとなく、掴みどころのない記者クラブ、っぽいだろ」

 たしかに、おっしゃる通り。

 脳も魂も抜かれてしまった(というか、自ら抜いてしまったのかもしれない)記者クラブ。私も、これからは、「そうであってほしくない」という強い願いを込めて、あえて、「記者クラゲ」と呼ばせてもらうとしよう。(つづく)