はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と八十四
「ソンタク サンキョウダイ! ソンタク ヨンキョウダイ?」
あの頃、一世を風靡した、あの、だんご3兄弟、ならぬ、そんたく3兄弟。と、語り始めた途端に、Aくん、その「そんたく3兄弟」を、声高らかに歌い始めたのである。
♪ 相手を、オモンパカってチョ~ナン、チョ~ナン
ビビッて恐れて、ジ~ナン、ジ~ナン
美味しいエサにつられて、サンナン、サンナン
そんたく3兄弟
そう、思いっ切り歌い上げたAくん、すぐさま、そのあとで、もちろん、相手を慮(オモンパカ)るのは長男と、決まっているわけではないから、と、補足。
そりゃそうだ。
次男である私としても、そのヒエラルキーは、いただけない。
「ようするに、巷を賑わしまくっている『忖度(ソンタク)』ではあるけれど、三者三様、イロイロな忖度がある、ってことですよね」
「なんか、熱唱させてもらったことで、余計、ヤヤこしくしてしまったか、な」
その通り。
「いえ、そんなことはないです」
「でも、わかりやすいだろ。そんたく3兄弟」
いや、申し訳ないが、むしろ、わかり辛い。
「はい。歌がもつ、チカラ、なのか、わかりやすいです」
「だろ。でだ。そもそも慮る系の、そのコミュニケーションツールであったはずの『忖度』が、どうも、あの、とくに政治に関わる怪しげなピーポーたちによって、ズルズルと、ジ~ナン、サンナン、に、引っ張られていってしまったように思えるんだよな」
ジ~ナン、サンナン、に、か~。
「つまり、単なる、ビビり、恐れ。あるいは、甘い汁チュ~チュ~の、損得、打算。と、いうことですよね」
「そう、そういうことだ。たとえば、ほら、最高裁で、そのトンでもない犯罪が確定したにもかかわらず、その犯罪者が運営する会社と、平然と、ナニゴトもなかったかのように、その後も、ウシシウシシと関係し続けてきた、某国民営放送局をも含む大手メディアたち。の、その所業もまた、完全に、ジ~ナン、サンナン、だろ。違うかい」
あ、あ~、あのコトだな。
「私は」
「ん?」
「私は、ひょっとしたら、アレは、いや、ドコからドウ考えても、アレは、ジ~ナン、サンナン、どころではなく、もう、限りなく、幇助(ホウジョ)、幇助に近いとさえ思っています」
「幇助、ね~。なるほど、なるほどな。つまり、♪ 幇助、幇助、の、ヨンナン、ヨンナン、そんたくヨンキョ~ダイ、って、ことだな」
(つづく)