ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1153

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と八十四

「ソンタク サンキョウダイ! ソンタク ヨンキョウダイ?」

 あの頃、一世を風靡した、あの、だんご3兄弟、ならぬ、そんたく3兄弟。と、語り始めた途端に、Aくん、その「そんたく3兄弟」を、声高らかに歌い始めたのである。

 ♪ 相手を、オモンパカってチョ~ナン、チョ~ナン

   ビビッて恐れて、ジ~ナン、ジ~ナン

   美味しいエサにつられて、サンナン、サンナン

   そんたく3兄弟

 そう、思いっ切り歌い上げたAくん、すぐさま、そのあとで、もちろん、相手を慮(オモンパカ)るのは長男と、決まっているわけではないから、と、補足。

 そりゃそうだ。

 次男である私としても、そのヒエラルキーは、いただけない。 

 「ようするに、巷を賑わしまくっている『忖度(ソンタク)』ではあるけれど、三者三様、イロイロな忖度がある、ってことですよね」

 「なんか、熱唱させてもらったことで、余計、ヤヤこしくしてしまったか、な」

 その通り。

 「いえ、そんなことはないです」

 「でも、わかりやすいだろ。そんたく3兄弟」

 いや、申し訳ないが、むしろ、わかり辛い。

 「はい。歌がもつ、チカラ、なのか、わかりやすいです」

 「だろ。でだ。そもそも慮る系の、そのコミュニケーションツールであったはずの『忖度』が、どうも、あの、とくに政治に関わる怪しげなピーポーたちによって、ズルズルと、ジ~ナン、サンナン、に、引っ張られていってしまったように思えるんだよな」

 ジ~ナン、サンナン、に、か~。

 「つまり、単なる、ビビり、恐れ。あるいは、甘い汁チュ~チュ~の、損得、打算。と、いうことですよね」

 「そう、そういうことだ。たとえば、ほら、最高裁で、そのトンでもない犯罪が確定したにもかかわらず、その犯罪者が運営する会社と、平然と、ナニゴトもなかったかのように、その後も、ウシシウシシと関係し続けてきた、某国民営放送局をも含む大手メディアたち。の、その所業もまた、完全に、ジ~ナン、サンナン、だろ。違うかい」

 あ、あ~、あのコトだな。

 「私は」

 「ん?」

 「私は、ひょっとしたら、アレは、いや、ドコからドウ考えても、アレは、ジ~ナン、サンナン、どころではなく、もう、限りなく、幇助(ホウジョ)、幇助に近いとさえ思っています」

 「幇助、ね~。なるほど、なるほどな。つまり、♪ 幇助、幇助、の、ヨンナン、ヨンナン、そんたくヨンキョ~ダイ、って、ことだな」

(つづく)