ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1204

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と三十五

「オー! ビーピーオー!」

 あるフリーのジャーナリストが、活字媒体、活字メディア、に、対しても、BPO(ビーピーオー)のようなチェックシステムをつくることができないものか、と、提案されていた。

 そう、B、P、O。

 自主独立が信条の、放送倫理、番組向上、機構。

 「テレビだけでなく活字媒体にも、BPOのようなチェック機構があった方がいいように思えるのですが」、と私。

 「ビーピーオー?。あ、あ~、BPOね」

 「活字倫理、出版物向上、みたいな」

 「あってもいいと思うが、・・・」、と、妙につれない、Aくん。ナニか、引っ掛かる点でもあるのだろうか。

 「そもそも、電波とペンとではバックグラウンドが違うからな~」

 ん?。バックグラウンド、とは。

 「ペンは剣よりも強し、と、よく言われたりしているけれど、電波は剣よりも強し、なんて、誰も言わないだろ」

 たしかに、聞いたことがない。

 「放送法やら電波法やらに、どうしても、ガンジがらめ。ビビりぎみ。それゆえ、必然的に国家権力に弱くなりがち。てなわけだ」

 あ~。

 そういえば、ときおり、総務相あたりが免許の取り消しもあり得る、みたいなコトを、エラそうに、わざわざ宣ったりしているな。

 「ひょっとしたら、実は、国家権力から守るために、その機構、つくったのかもしれないぜ」

 放送局を、ではなく、むしろ、その背後の強大なチカラを、圧力を、チェック、か~。それ、あり得るかもしれない。

 「ビビりぎみの電波と違って、ペンは剣よりも強し。剣は横暴な権力。その権力に立ち向かうペンにBPOなんて必要ないだろ。そんなモノつくってしまったばっかりに、本来のペンのチカラが規制されてしまっては本末転倒、元も子もない」

 んん~。

 Aくんのその思いも理解はできるが、ただ、あまりにも性善説に基づき過ぎなような気がする。そのターゲットがドレほど追い込まれようが傷つこうが、ドウなってしまおうが、売り上げ部数さえ伸びればソレでいい的な、そんな理不尽で無責任極まりない活字が、活字媒体が、見受けられるだけに、悩ましい。

 「ただし」

 ん?

 「ただし、ペンは剣よりも強し、で、あって、間違っても、ペンが剣になってはいけない。ソレは絶対に許されない」

 ペンがもつ強さの意味を履き違えてはいけない、と、いうことか。深い、深いな。

 「だけど、やっぱり、ペンに対するBPOには、諸手を挙げて賛成というわけにはいかない」 

 ん~。

 「いかないが」

 ん?

 「あの、国会には、そのBPO、あってもいいかもな」

 「こ、国会には、ですか」

 「そう。国会は『Diet (ダイアット)』、答弁は『Response (レスポンス)』だから、BPO、ならぬ、DROだな」

 ディーアールーオー、DRO 、か~。

 いいかもしれない。

 「国会倫理、答弁向上、機構。ですね。それ、賛成です。大賛成」

(つづく)