ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1118

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と四十九

「ミンナヤッテイル ナゼ ワタシダケ シンドローム

 「ほぼ、病んでいる」

 えっ!?

 「正しきコトをすることが損だ、みたいな、そんな風潮が、公私入り乱れて其処彼処(ソコカシコ)で垣間見られるよな」

 正しきコト、イコール、損。

 正直者は損をする、と、いう、ヤツか。

 「とくに、政治関係者がこのモノの考え方に陥ってしまうと、マジでタチ(質)が悪いから厄介だ」

 政治も行政も、巨額の血税が絡みまくっているだけに、たしかに厄介だ、と、私も思う。

 「ヨソでもヤッているでしょ。ナゼ、私だけ、コレだけ、ココだけ、グチグチ言われなきゃならないのですか。みたいなコトって、結構、あったりしますよね」

 「あるよな~」

 「必死ということもあるのでしょうけど、選挙運動がらみでも、時折、目にも耳にもしますよね」

 「するする。たとえば、公示前にスタートを切ってしまうフライングやら、『すでに、ウチの自治体ではヤッてます。ソレがヤれているのはウチだけですよ』と、たしか数年前に豪語していたはずなのに、実は、単なる意気込みを語っただけだったという、ウソ三昧の演説やら、と、いった具合に、イロイロとね。ホント、情けないよ。だけど、ソレ以上に情けないのは、指摘された際の、その、まさに『みんなヤっている。ナゼ、私だけ』丸出しの、言い訳、言い逃れだ」

 ナゼ私だけ、丸出しの、言い訳、言い逃れ、か~。

 「国会でのウソなら問題だが、選挙演説なんて、みんな、ウソばかり。みたいなコトを顔色ひとつ変えずに平然と言ってのけるコトができるんだから、恐れ入るよ」

 たしかに、そんな言い訳が罷り通るのなら、誰かが宣っていたように『ウソつきは政治家の始まり』ということになるな、間違いなく。

 そういえば、ある、埋め立てられてつくられた人工島を使った巨大プロジェクトの、その、大地震、大津波、発生時の危険性を指摘された際の行政側の答弁も、ソレと似ていたような気がする。

 「じゃ、まず、すでに20年ほど前から運営している隣の人工島のテーマパークに対して、その危険性を指摘しなければならないのでは」

 そんな感じの内容であったと思う。

 ナゼ、こんな答弁ができるのだろう。

 おそらく、「ナゼ、私だけが、ココだけが、グチグチと言われなきゃならないんだ」というコトなのだろうけれど、申し訳ないが、私には理解ができない。

 「ナゼ、せめて私だけは、私だけは正直に、真っ当にやろう、とは、思わないのでしょう。ナゼ、隣接する人工島にそういう危険性があるのなら、人工島を活用するのは避けた方が良さそうだな。とは、ならないのか。私には、ソコのところが、全くもってわかりません」

 「ソコこそが、まさに、『みんなヤッている、ナゼ、私だけ、シンドローム』の、マジでタチの悪い厄介さなんだろうな」

(つづく)