ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1297

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七百と二十八

「イイコトヲ イッテイルカノヨウナ ロンテンズラシ ロンポウ ハビコル」

 「シモジモたちごときに本当のコトなど言う必要も、言わなきゃならない義務も、ないと、ひょっとしたら本気で思っているのかもしれない、そんな『嘘つき三昧』系のエラそうな方々は、もちろん、論外なんだけれど」

 ん?、嘘つき三昧?、論外?

 「たとえば、たとえばだ」

 んん?

 「AとBによる激論があったとして」

 んんん?

 「その激論の行き着く先に、AとBの両者が、どころか、その激論に耳を傾けていた周囲までもが『ガッテン!』と納得できる結論がある。みたいな、そんな結論がソコにないと、ほとんど意味がないんじゃないか、って、この頃、とくに、思うんだよな~」

 ん~。

 今、流行りの、あの「論破」ではない「ガッテン!」でなければ意味がないと、Aくんは宣いたいのだろう。たしかに、あの手のチカラ任せの論破のほとんどは、納得とは程遠いように思える。とはいうものの、ソレって、かなり難しい。

 「論理的に説明し、目から鱗の納得への道を拓くコトの難しさ。私も、イヤというほど痛感すること、何度もありますから」

 ココは、正直に、己のチカラ不足を告白。

 するとAくん、「僕も、ある、ありまくる。でもね、あの人たちはソレが仕事だろ。国会やら委員会やらといった戦場で、その道のプロとして、そのチカラを発揮できない、発揮するチカラもない。では、申し訳ないが、向いてないんじゃねえのか、って、どうしても思っちまうわけよ」、と。

 そういえば、「これから、シッカリ、勉強させてもらいます~」などと、悪びれず、ニコニコと宣う新人、若手(に、限ったことではないかもしれないが)を、よく目にする。たとえば、その知名度の高さを武器に勝利を勝ち取ったニューフェイスたち。しかしながら、ニューフェイスといえども一年めから信じられない額の高給を手にするのだ。当然、ソレは血税。ドコからドウ考えても、呑気にニコニコと「勉強さてもらいます~」などと宣っている場合ではないだろう。

 「しかも、その手のコトは、ネットやテレビなどのメディアの世界でも、結構、見受けられたりするものだから、余計、ナンともカンともな気分になる」

 いわゆる有識者、コメンテーター、と、言われる方々のことか。

 「とくに、未だ影響力があるテレビのその画面の中で、ソレなりに存在感を放っているコメンテーターたちの、あの、忖度まみれの巧みな世論誘導論法やら、なんとなくいいことを言っているかのような論点ずらし論法やら、を、何度も、何度も耳にするにつけ、もう、いい加減、『ガッテン!』などとは真逆の、不満足感と失意でドロドロの沼に、ズブズブと、思いっ切りズブズブと吸い込まれていってしまいそうな、そんな感じなわけよ」

 不満足感と失意でドロドロの沼に、ズブズブと、か~。

 またまたわかり辛いAくん独特の言い回しだけれど、その「そんな感じ」、理解できなくはない。つまり、ピーポーたちをそのような沼で溺れさせてしまう、どころか、溺れているピーポーたちを見てもナンとも思わない、ような、政治家もどきでもコメンテーターもどきでもなく、右も左も前も後ろも上も下も、皆が、心から「ガッテン!」できる、納得できる、ような、論じるコトのプロ、プロフェッショナルたれ。と、いうことなのだろう。

(つづく)