ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.242

はしご酒(3軒目) その七十一

「ウインウィン ハ セイギ?」②

 たとえば、友情や人情や愛情について、ウィンウィンの関係で、などと、宣うこと自体、まず、あり得ない。勝ち負けや損得といったものから、ウンと離れた真逆のところに鎮座しているものが、友情であり、人情であり、愛情であるはず、だからである。

 さらに言えば、むしろ、「ルーズルーズ(マケマケ)」ぐらいの気持ちで臨むほうが、どちらかというと、はるかにマシで、正義に近づくことができるかもしれない。共に一歩も二歩も引いたお互いのルーズ(マケ)を、お互いが相手の立場に立って尊重しあい、そして享受しあえる関係こそが、大いなる平和に繋がる、第一歩であるように思える。

 つまり、所詮、「ウィンウィン」などというものは、極めて政治的な、一つの戦略にすぎない、のである。ビジネスパートナー(う~ん、パートナーと呼ぶには少し抵抗がある。「パートナーモドキ」という感じだな)間における戦略、それ以外のナニモノでもない、と、考えておいたほうが無難だ。

 間違えても、身近な人に、ウィンウィンの関係でいこう!、などと、宣わないように(思わないように)したいものである。(つづく)