はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と三十
「ノウゼイ ノーゼイ!」
かなり辛い義務だけれど、この国の全てのピーポーたちのために必要なモノだから、と、ソレなりに納得はしている「納税」。それゆえ、私なりにその義務を果たし続けてきたし、コレからもそのつもりだ。
しかしながら、この納税の義務に反旗を翻している政党があるというから興味深い。
そう、納税の義務の放棄。
そのためには裏金(一部、メディアで、ナニかの、ダレかの、気を遣って、『還付金』などと宣われておられるようだが)づくりであろうが、ナンであろうが、あらん限りの手を尽くす。
さぞかし、この政党、納税に苦しむ一般ピーポーたちの絶大なる支持を得ているのだろうな、と、思っていたら、残念ながら、ココにきて、支持率は右肩下がりだという。
ナゼなのか。
答えは簡単。
納税の義務の放棄は、お仲間内だけの限定だからである。お仲間内以外は、今まで通りに、いや、今まで通り以上に、国家のために納税してくれたまえ、なのだ。
ほら、あの時の、あの、バリ島のお兄さんの鼻歌、そう、ボブ・マーリーの魂の名曲、♪No Woman, No Cry。ならぬ、 「ノー 一般ピーポー、ノー 税」。つまり、税のない一般ピーポーなどいない。と、いうわけだ。
ところが、ところがだ。ソレが、「ノー お仲間内、ノー 税」となると、随分と意味が違ってくる。
そもそも、♪No Woman, No Cry の「no」は、実はクレオール語の「nuh」。nuh は英語の「don't」。そう、「Don't 税」、「ダメだ、お仲間内よ、税なんか納めるんじゃない!」、と、なる。
ふ~。
まず、ナニよりも大事なモノは、己と、お仲間内。己とお仲間内のためならナンだってするし、場合によってはダークサイドにだって堕ちてみせる。と、いうことなのだろう。
一般ピーポーたちの「納税!」。
お仲間内の「No 税!」。
なんとなく似てはいるが全然違う。
そりゃ、支持率も、右肩下がりになるはずだ。
(つづく)