ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1157

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と八十八

「コッカイ イチニチ サンオクエン?」

 ある経営コンサルタンター(などとは言わないか。そういえば、以前、Aくんに、「コンサルタント」のままでいい、と、言われたことを、今、思い出した)が、ある国会議員のあるコメントを耳にして湧き上がった私の心の中のモヤモヤを、一瞬にして、見事なまでにクリアにしてくれたのである。

 ある国会議員の、あるコメント。ソレが、「国会、1日、3億円」。

 もちろん、初めてソレを耳にした時は、条件反射のように「さすがにその額はナイだろ。ナゼ、そんなにかかるのだ」と、思いはした。思いはしたが、だからといって、国会議員が、「だから、国会は開かずに、その費用を別の用途に使うべき」と宣うことには、どうしても違和感を感じ、腑にも落ちなかった。

 考えれば考えるほど、その発想そのもののナニかが、ドコかが、大きく間違っているように思えてならなかったのである。

 たとえば、ドコかに無駄があるのであれば、「ソコは、どうにかしてでも是正したい」で、いいではないか。ソレなら合点もいくし、腑にも落ちる。にもかかわらず、安直に、「国会を開かずに」などと宣わられてしまうと、ソレって国会軽視だろ、と、どうして思ってしまう。自ら、「ほとんど事前に決まっているのだ。カタチだけの議論にすぎない、形式的な国会。全て、茶番」と、暴露しているようなものだ。

 そんな、そんな時の、そのコンサルタンター(と、あえて言わせていただこう)の、目からウロコの、ジャストな、解説であったのである。 

 その、解説とは。

 「国会の費用の大半は固定費。したがって『国会を開くと1日3億円の費用がかかる』のではなく『国会の費用を1日に換算すると3億円になる』と表現すべきです。国会を開くと、新たに3億円の費用が発生するわけではありません。また、国会を閉めると3億円浮く、というわけでもありません」

 なるほど、なるほどね。

 あまりのジャストさに、あれほどモヤモヤしていたにもかかわらず、サクッと、合点もいったし、腑にも落ちた。

 しかし、ナゼ、あの国会議員は、あのような発言をしたのだろう。

 単なる勉強不足?

 ひょっとしたら、その発言で、国民に、「ソコまで私たちのコトを考えてくれているのか」と、思ってもらえるとでも思った?

 それとも、先ほども言わせてもらったように、見事なまでの国会軽視?

 どうなのだろう。

 本人のみぞ、知る、か。

(つづく)