はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と七十二
「オキナワヲ ブンダンシテ ホクソエム アクマ」
「巨大な権力を握る悪魔たちが、追い詰められ、苦々しく苦しみもがく一般ピーポーたちに、トドメの鉄槌を喰らわす」
ん?
なんだか、一天にわかにかき曇り、オープニングから穏やかでない。
「国民に選ばれた国民全体の奉仕者が、その国民に、国のために奉仕者になれと、犠牲になれと、牙を剥く」
うわっ、いつも以上の、極辛。聞いているだけで喉がヒリヒリと火照(ホテ)る。
慌てて、新潟のコシヒカリで醸された純米大吟醸をグビリとやる。上質の甘いキレが、その火照りを鎮める。
「沖縄が、沖縄のピーポーたちが、ナゼ、国の奉仕者になれと、犠牲になれと、強要されなきゃならないのか」
あ、あ~。
「ましてや、国が、一自治体に、一方的な理由で、大義名分で、巨額な損害賠償請求に踏み切るなど、あり得ない。あってはならない」
辺野古だ。間違いない。
「ナゼ、沖縄のピーポーたちより、アメリカなんだ。僕には、サッパリわからない」
おそらく、・・・。
「おそらく、世の中の角(カド)というじ角を、力任せに取り去って、とにかく無理やり、丸く、丸く、収めるためには、弱き者たちの犠牲は必要不可欠。だと」
「なんだよ、それ」
「でも、そうとしか思えません」
「そもそもだ。ナゼ、辺野古なんだ。どうせ、ウソやらデタラメやらを塗り重ねて騙(ダマ)くらかした、その結果の『辺野古しかないんです』だろ。違うかい?」
シモジモじゃないエライ人など、一度も、一人も、お会いしたことがないので、コトの真相など知る由もないが、でも、ナゼか確信をもって断言できる。
「違わないと思います。というか、違わないです、きっと、間違いなく」
「そして、沖縄を、沖縄のピーポーたちを、苦渋の分断に追いやって、ほくそ笑んでいるのだ、あの悪魔たちは」
(つづく)