ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1142

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と七十三

「ヤリスゴセ ドウセ ミナ スグニワスレル」

 「結局のところ、悔しいけれど、あの、隠蔽(インペイ)まみれの桜を見る会や幼稚園新設に絡むモヤモヤも、元首相が主導でヤラかしたに違いないと噂される1億5000万円問題のモヤモヤも、例の、政治家たちをも巻き込んだ某カルト教団に纏(マツ)わるモヤモヤも、某万国博覧会とIR(アイ・アール)に絡む様々なモヤモヤも、某野党の党首による巧みな乗っ取り疑惑のモヤモヤも、一連の、某与党の女性議員たちによる傍若無人ぶりに対するモヤモヤも、理不尽で暴力的な都会のオアシスの伐採へのモヤモヤも、処理し切れなかった未処理汚染水のモヤモヤも、強引で傲慢なインボイス導入のモヤモヤも、もちろん、差別的とさえ思える高圧的な辺野古のモヤモヤも、選挙前になって、突然、支援するなどと宣い出しているが、コレまでに多くの酪農家たちを廃業に追いやった暴力的な政策のモヤモヤも、そして、おそらく、あの、コーポレートガバナンスコンプライアンスもボロボロだった某超大手芸能事務所のモヤモヤも、『ヤリ過ごせ。どうせ、皆、すぐに忘れる』という大号令の下(モト)、ただ、ひたすら、世間の興味が薄らいで消え去っていくのを待つ、みたいな、そんな感じなんだろうな、という気が、してならないんだよな~。でだ、そんな風潮にジャーナリストたちも乗っかって、真剣に、命懸けで取り組んでいこう、最後の最後まで、真実の究明に全力を尽くそう、などとは微塵も思わず、たいていは尻すぼみ。と、いうわけだ」、とAくん。いつのまにか、この国が、「モヤモヤがモヤモヤを呼ぶモヤモヤのままワールド」に成り下がってしまったコトを嘆くかのように、一気に、一気に捲し立てた。

 もちろん、そんな風潮の中でも、頑張り続けているジャーナリストたちはいる。私が存じ上げている方も、細々ながらも根気よく、ネチッこく、世間が忘れ去ろうとしている不正の数々に対して、今も、取り組み続けておられる。マジで頭が下がる思いだ。

 とはいえ、いかんせん、この国は、この国のピーポーたちは、自分たちにダイレクトに関わってこないコトに対しては、悲しくなるほど、トンでもなく忘れっぽいのである。

 だから、だからこそ、渦中のシモジモじゃないピーポーたちは、どうしても、「ヤリ過ごせ。どうせ、皆、すぐに忘れる」、と、安直に考えてしまうのだ。そして、そんな忘れっぽいピーポーたちのおかげで、あの人たちは、コレまで逃げおおせてこれたし、コレからも、逃げおおせていくのだろうな、きっと。

 なんとも、なんともかとも、情けない話である。

(つづく)