はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と二十六
「ガッコウガ ワタシノ アシヲ ヒッパル」①
「こんなコトを言うと、元学校の先生に叱られてしまうかもしれませんが、あえて、勇気を振り絞って、酔いの力も借りて、言わせてもらいます。『学校が、私の足を、引っ張る』ってコト、ありませんか」
「言っておくけど、そもそも学校という組織は、システムは、君の足を引っ張る。引っ張りまくる」
へっ。
「そういうモノだ。コレは、如何ともし難い事実」
「や、やっぱり」
「でもね、そんな中でも、ナゼか妙に頑張っている先生たちがいる。ナゼか妙に気持ちいいクラスメートたちもいる。みたいな、そんなコトがあったりするものだから、ギリギリ、学校が、その存在意義を保っている、と、僕は思っている」
あ~。
勇気を振り絞って言わせてもらったわりには、一気に、その勢いが萎んでしまう。ナゼなら、その感じ、私自身も、私の経験から感じていたコトであったからである。
そう、いるのだ、いるのである。今でも、忘れられない恩師が、クラスメートが。
「だから、ソレでもやっぱり、マジでコリャ、ダメだ、と、思ったら、とりあえず、早々に、学校から身を引く、逃げる。コレは、かなり大事(ダイジ)。以前にも言ったか、君から聞かされたか、は、定かではないけれど、ダイジ(大事)は、ほんのチョッと読み違えただけでオオゴト(大事)に、なってしまうぐらい紙一重(カミヒトエ)なわけ。それゆえ、ダイジなコトは、絶対に、放ったらかしにしてオオゴトにしてはいけない、ということだ」
「じゃ、国が、行政が、そうした子どもたちにできるコトって、いったい、ナンだと思いますか」
「ん~・・・」
うわ~、ヤバいかも。
またまたAくん、恒例の沈黙タイムに突入してしまいそうだ。
(つづく)