はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と四十五
「モンクバッカリイッテ アシ ヒッパッテ」
「文句ばっかり言って、足引っ張って。そんなコトばかりに貴重なエネルギーを費やすぐらいなら、ともに力を合わせて良いモノにしていきましょうよ」
えっ!?
「コレ、至極真っ当なご意見だよね」
ん~。
「問題点ばかりに注目して、してやったり、と、口撃する。そんなコトばかりしていても、ソコからはナニも生まれやしないだろ。と、いう、ご指摘。おっしゃる通り、と、納得もするし、腑にも落ちる」
ん、ん~。
「ただね」
ん?
「ソコに至るまで、に、よるんだよな~」
そう、ソレだ。
ソコまでの至り方による。
「多くの問題点が指摘されていたにもかかわらず、そんな指摘に耳を傾けることなく数の論理で強引に突き進んだ結果、だとしたら」
「だとしても、どうにかしなければ、損害を被るのは一般ピーポーたちなわけですから。ともに力を合わせて打開策を見出だしていくことは当然のコトだとは思います。思いますが、その前に、多くの意見を無視して数の論理で突き進んだわけですから、まず、その愚行に対する反省がないと」
「そう、そういうことだ。『文句ばっかり言って、足引っ張って』のその前に、『都合のいいコトばっかり言って、他の意見を足蹴(アシゲ)にしてきた』そのコトの、ケジメは付けないとな」
その通り。
「トにもカクにも、なんだか上手くいかなくなって、ちょいと苦しくなった途端に『ともに力を合わせて』などと宣うのであれば、普段から、謙虚に、真摯に、前向きに、ともに力を合わせてやってくださいよ、シモジモじゃないおエライ方々よ」
(つづく)